ma cherie (ページ13)

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氷の王子ページ13

おばあ様のお相手と言っても

話し相手になったり、足が痛むみたいだから

車いすでお屋敷の中を散歩したり…

「Aちゃんがいてくれると楽しいわ～、ねージス」

今日はジスさんも一緒…

「そうだね、おばあ様」

でた、王子スマイル

目を細めてキラ～ンって！

「じゃあ、行ってくるわね」

手を振って出かけていくおばあ様

「いってらっしゃい」

『行ってらっしゃいませ』

おばあ様が乗った車を見送る私たち

おばあ様がいる時はにこやかなジス王子様も

仕事の用事でおばあ様がお屋敷からいなくなると

にこやかさは消えて、まるで氷の王子

一言も話さないし、ニコリともしない。

もう１週間、ここに来てからずっとそう。

なんか私、悪いことしたのかな？

まぁ、仕事には関係ないからどうでもいいけど…

部屋に戻って本でも読もう

『じゃぁ、失礼しまぁーす』

回れ右をして部屋に戻ろうとすると

後ろから腕を引っ張られる

『え？ちょっ…と』

「こっち」

ジスさんが私の腕を引っ張ってどんどん歩いてく

どこ行くの？