34．終幕 ページ34
腕の中で少しずつ消えていく彼女の体は、どこか縮んでいるような気がした。
もう一度目が合った時には、初めて会った時の、あの小さな女の子姿になっていた。
『一緒に遊べなくて、ごめんね』
そう話しかけると、優しく微笑み返してくれる。
ゆっくりと女の子の手が私の首の後ろにかけられ、ぎゅっと抱きしめられる形になったが、重みはない。言葉もない。そして、そのままスゥッと消えていった。
終わった…。
「Aさん…」
心配そうに夏油さんがそばに寄ってくれた。
私は、泣いていたみたいだ。
でもどこか、気持ちはスッキリしていた。
『大丈夫です』
私は、上手く笑えていたかな…
すると、大きな体が目の前にふってくる。すぐに夏油さんに抱きしめられているとわかった。
『え、えっ？！どうしたんですか？！！』
突然の出来事に頭がついていかない。
ここへ入って来た時の緊張感、そして今のよくわからない達成感、からの…これは、どう解釈をしたらいいのだろうか。
「いきなり飛び出てくるからびっくりした。君が無事でよかった……」
そんなに心配をかけてしまったのか？なかなか離してもらえないので、とりあえず夏油さんの背中をよしよしと撫でてみる。
しばらく私たちは、抱きしめ合っていた。
…
「ヒュ〜ッ！見せつけてくれちゃってるね〜！」
「五条、写真撮っとけ。後で使えるぞ」
いつのまにか五条さんと硝子さんが近くまでやってきていた。うっわ、この状況めっちゃくちゃ恥ずかしい…。
『っ！あわ、あの、これは！！』
思わず夏油さんを引き剥がす。
「ごめん、つい…」
申し訳なさそうに、顔を赤くしている夏油さんを見ると、こちらも顔が熱くなる。
「と、とりあえず外に出ようか！！」
私はコクリと頷き、夏油さん達の後ろをついていった。
その時、ふと思う。
夏油さんの目的は呪霊を祓うことだった。
そして、今その目的は達成された。腕も治っている。
もう、病院にいる意味がなくなった。
その意味を何度も何度も考えた。
何度考えても、答えは同じだった。
胸の奥がちくりと痛んだ。
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yoku(プロフ) - Nekoさん» ありがとうございますw (2022年7月13日 6時) (
レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
Neko - 面白すぎて..チィーンw 夏油寂しそう...w (2022年7月12日 22時) (レス) @page4 id: 87f128d50e (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 夢楽笑さん» コメントありがとうございます！夏油さんのイジられる話が好きすぎてw完結までもう少し、頑張ります！ (2022年7月4日 9時) (レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 小宮瑠璃さん» お返事遅くなり失礼しました。ジャーナリスト！候補に入れさせていただきます(^-^) (2022年7月4日 9時) (レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
夢楽笑(プロフ) - 夏油さんふびんwww主人公と夏油さんの距離感ドキドキです！頑張ってください〜！ (2022年7月4日 9時) (レス) @page31 id: 91488f7b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yoku | 作成日時：2022年6月16日 18時
