29．本当の気持ち(5) ページ29
私は普通の筈だった。
人並みの容姿に人並みの性格、人並みの経済力に学力も平均台。たった一つを除いて。
"呪われている"
こんな言葉、小さい頃はよく言われた。でも今は意味が全然違って聞こえた。
誰かのために呪われたとしたら、それはどんな意味を成すのだろうか。
わからない。怖い気持ちもある。
だけど、少しでも、この普通じゃない部分を肯定してあげる理由がほしかった。
今なら、大丈夫…だって、あなたが一緒だと言ってくれたから。
『私にやらせてください！！』
ちょっと主人公っぽい事を言ってしまったが、それも自分への言い聞かせになるのだと初めて気がつく。
できるからから言うんじゃない。言ったからそうしなきゃダメなんだ。
「いいんじゃないの？やらせてあげれば？」
五条さんが缶を二つ手に持ち戻ってきた。
「…」
夏油さんは悩んでいるんだろうか。返事はしない。
「僕もいるし、何よりお前がいるだろ」
私は黙って二人を見つめる。
「……絶対、君は私が守る」
しばらくの沈黙のあと、出された言葉に胸を打たれた。
文字通りの言葉がこれほど似合う人を私は見た事がなかった。
『かっこいい…』
つい言葉に出してしまう。
「っ！じゃ、じゃあ今夜、昨日の職員出入り口集合で！」
勢いよく立ち上がって私の手を離した。
「ククッ、傑照れてるっ！」
五条さんの言うように、その行動の意味が照れからのものだと嬉しいと思った。
私きっと、この人のことが好きなのかもしれない。
何故だかわからないけど、泣きそうになった。
午前1時、病院が一番静まり返る時間帯。
迎えに来てくれた五条さんに連れられて
職員用出入り口へと向かった。
昨日もらった赤いお守りを確認し、ぎゅっと握った。
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yoku(プロフ) - Nekoさん» ありがとうございますw (2022年7月13日 6時) (
レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
Neko - 面白すぎて..チィーンw 夏油寂しそう...w (2022年7月12日 22時) (レス) @page4 id: 87f128d50e (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 夢楽笑さん» コメントありがとうございます！夏油さんのイジられる話が好きすぎてw完結までもう少し、頑張ります！ (2022年7月4日 9時) (レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 小宮瑠璃さん» お返事遅くなり失礼しました。ジャーナリスト！候補に入れさせていただきます(^-^) (2022年7月4日 9時) (レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
夢楽笑(プロフ) - 夏油さんふびんwww主人公と夏油さんの距離感ドキドキです！頑張ってください〜！ (2022年7月4日 9時) (レス) @page31 id: 91488f7b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yoku | 作成日時：2022年6月16日 18時
