３．出会い ページ3
夜勤明けの次の日は休みであると、誰が言っただろうか。
いや、普通は休みなのよ？そうなんだけど、新人の研修とかいろいろで、私は明けからの日勤となってしまった。
師長にどうしてもとお願いされたから仕方ない。
だけど、やっぱり疲れは取れない…
そんな中でも仕事は待ってはくれない。
『今日は緊入担当か…絶対きませんよーにっ！！』
緊入担当とは、緊急入院の患者が入った場合担当するという意味である。
この担当になった日は、いつものタスク管理だけでは不十分、いつも何があっても大丈夫な様に早めに仕事を終わらせていなければならない…
師長、キチクだ。なぜ私が緊入…
そんな時、病棟に鳴り響く内戦の音。
師長が受話器を取った。
緊張の一瞬である。
「はい、５東(５階東側病棟の略)の玉置です。
…はい……はい、えぇ、大丈夫です。はい…
何分後ですか？5分、わかりました。準備します」
師長の会話で、何かすぐに察知できる。
それだけ自分も成長したのかもしれないけど、あまりうれしくない。
「みんな聞いて！28歳男性、学校の三階から転落。意識はある様ですが、全身打撲、骨折多数、頭からも出血があるようなので、ERにて初期治療を受けた後、他が満床なのでここへきます。関口さん、救急車到着が約5分後に到着です。救急隊員からER職員と共に情報を取ってきてください！他のメンバーは酸素投与の準備。その他も、わかっていますね？」
「「「はいっ！！」」」
この仕事は常に緊張に包まれている。
肉体的にも精神的にもキツい仕事だ。
だけど、全員が一致団結する瞬間は、鳥肌が立つ。
メモとペンを確かめて、足早に一階まで駆け降りた。
ん？
学校の三階から転落？28歳…って先生？
『え、ジサツとか？！！』
救急のある病院ではいろんな人が来る…
ドキドキひやひやしながら救急隊員を待つ。
ピーポーピーポー
救急車が到着し、医者やER職員と共に迎えに行く。
始めは緊張したこの場面も、今ではもう慣れっこだ。
担架に乗って運ばれてきたのは、頭から血を流している長髪のお兄さんだった。
申し送りを聞きながら担架と並走していた時、ふと患者を見た。
パチッ
目が合った。
マジで意識あるわこの人。
三階から落ちて意識あるとか怖すぎる。
『お名前言えますか？』
「…夏油傑、です」
彼をもう一度見やると、苦笑いを浮かべていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yoku(プロフ) - Nekoさん» ありがとうございますw (2022年7月13日 6時) (
レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
Neko - 面白すぎて..チィーンw 夏油寂しそう...w (2022年7月12日 22時) (レス) @page4 id: 87f128d50e (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 夢楽笑さん» コメントありがとうございます！夏油さんのイジられる話が好きすぎてw完結までもう少し、頑張ります！ (2022年7月4日 9時) (レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 小宮瑠璃さん» お返事遅くなり失礼しました。ジャーナリスト！候補に入れさせていただきます(^-^) (2022年7月4日 9時) (レス) id: 24eb35b20b (このIDを非表示/違反報告)
夢楽笑(プロフ) - 夏油さんふびんwww主人公と夏油さんの距離感ドキドキです！頑張ってください〜！ (2022年7月4日 9時) (レス) @page31 id: 91488f7b93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yoku | 作成日時：2022年6月16日 18時
