86.ハンター試験の降参 ページ41
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「――まいった。オレの……負けだよ」
……その言葉は、追い詰められていたとはいえキルがゴン君を――友達を見捨てたことを意味する。
静まり返った部屋の静寂を、パン、と手を叩いた時にする乾いた音が破った。
「あーよかった、これで戦闘解除だね。
はっはっは、ウソだよキル。ゴンを殺すなんてウソさ、ちょっとお前を試してみたのだよ」
……え？
……噓……？
やたら明るい声で告げられたイル兄の言葉に、身体の緊張が一気に解ける。
しかしキルは、いまだに冷や汗を流して俯いている。彼の心情を思えば仕方ない。
イル兄はそんな彼の頭に手を乗せて言った。
「――でも、これではっきりした。お前に友達を作る資格はない。必要もない。
今まで通りオレや親父の言うことを聞いて、ただ仕事をこなしていればそれでいい」
−−−−−−−
……戻ってきたキルは、私やクラピカさん、レオリオさんが何を言っても反応さえしてくれなかった。
となると事情を知らない二人の疑問は、当然私に向いてくる。
「おいスィス!! Aってどういうことだ？」
「それにイル兄って……まさかスィス、君は……」
次のレオリオさんとボドロというおじいさんの試合開始までの休憩時間。
まだ冷えたままの空気の中、二人は小声で問い詰めにきた。
先程の一連の流れの後で少し混乱したままの頭を、少し下げて答える。
「ご、ごめんなさい、また後に順を追って話します」
「おいおい、また後って……」
その返答に、レオリオさんが若干不満そうに顔を顰めた。
まぁあの暗殺一家の兄弟喧嘩(？)を見せられた後なら色々気になるのもおかしくないと思う。
「もうすぐレオリオさんの番が来ますし、それに……ゴンくんにも話さなきゃいけないから。どうせなら、三人がそろっている時にと思って」
そう訳を話すと、どうやら二人とも納得してくれたようだ。
頷いてそれきり、何も聞いてこなかった。
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くぅつか(プロフ) - キラさん» コメントありがとうございます！ 更新本当に遅くなりますがそれでも良ければお付き合いください！ (2019年1月3日 18時) (
レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - とっても面白いです！！とても続きが気になります！更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2019年1月3日 15時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - C＠音さん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです、更新できる限り頑張ります！ (2018年8月31日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
C＠音 - はじめまして！一気読みしましたが続きがきになって仕方ありません！更新頑張ってください！ (2018年8月29日 14時) (レス) id: ce7a2e00eb (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - 月翔×ミオさん» コメントありがとうございます、励みになります！ これからも頑張ります〜 (2018年8月23日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぅつか | 作成日時：2017年10月5日 18時
