75.ハンター試験の辛い観戦 ページ30
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そんなゴン君を見て、ついに痺れを切らしてしまったのだろうか。
ハンゾーさんは彼を倒し、俯せにして左腕を掴む。
「腕を折る」
……部屋の空気が、更に張り詰めたのを感じた。
「本気だぜ……言っちまえ！」
「…………いやだ！！」
ボキッ――
痛々しくも軽い音が、会場中に響く。
ゴン君は声にならない声を上げて、歯を食いしばっていた。
「…………」
「マジで折りやがった……」
「……、うぅ」
そんな彼を見て、うめき声が漏れる。
骨を折られた時の痛みは、自分もよく知っている。
天空闘技場で一度やられたし、確か昔拷問の訓練でも折られた事があるから。
あの酷い激痛を思い出して、思わず左腕を押さえた。
「……クラピカ、スィス、止めるなよ。
あの野郎がこれ以上何かしやがったら、ゴンには悪いが抑え切れねェ」
「止める？ 私がか？ ……大丈夫だ。恐らくそれはない」
クラピカさんの瞳は、緋色に染まっていた。
どうなっているのかは分からないが、その感情はひしひしと伝わってくる。
「……私もです。止めないし止められません」
ここで手を出したら一番困るのはゴン君だということも、ハンゾーさんがしていることは決して悪いことではないということも、理解している。
でも、ダメだ。
これ以上は本当に。
「……痛みでそれどころじゃないだろうが聞きな」
ハンゾーさんは片手で倒立をして、話を始めた。
「オレは『忍』と呼ばれる隠密集団の末裔だ。忍法という特殊技術を身につけるため、生まれた時から様々な厳しい訓練を課せられてきた。
以来18年。休むことなく肉体を鍛え、技を磨いてきた。
お前位の年には人も殺している」
……生まれた時から、か。
少なくとも逃げ出さなかっただけ間違いなく私よりは立派だな。
四本、三本と身体を支える指を減らしていきながら、話を続ける。
……目を瞑っているせいで、ゴン君がゆっくりと起き上がってきていることには気付いてない。
「こと格闘に関して、今のお前がオレに勝つ術はねェ！
悪いことは言わねぇ。素直に負けを認めな」
そう言って目を開けたその瞬間。
ゴン君が彼の顔面を思いっきり蹴り飛ばした。
ハンゾーさんはバランスを崩し、後ろに吹っ飛んで俯けに倒れる。
だがゴン君も相当無理したのだろう、そのまま倒れこんでしまった。
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くぅつか(プロフ) - キラさん» コメントありがとうございます！ 更新本当に遅くなりますがそれでも良ければお付き合いください！ (2019年1月3日 18時) (
レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - とっても面白いです！！とても続きが気になります！更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2019年1月3日 15時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - C＠音さん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです、更新できる限り頑張ります！ (2018年8月31日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
C＠音 - はじめまして！一気読みしましたが続きがきになって仕方ありません！更新頑張ってください！ (2018年8月29日 14時) (レス) id: ce7a2e00eb (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - 月翔×ミオさん» コメントありがとうございます、励みになります！ これからも頑張ります〜 (2018年8月23日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぅつか | 作成日時：2017年10月5日 18時
