68.ハンター試験の事の後 ページ23
.
……。
なんというか……その後のことはよく覚えていない。
ただ必死だった。
……そうだ。確かレオリオさんが叫んで、一斉に蛇に襲われて、それで……
頭が真っ白になって、錬をしながらその中に突っ込んで、それからは……そう、
多分、気絶してた。
−−−−−
「…………」
頭がぐらぐら揺れる。
何かにもたれかかっている。
……足を持たれている？
なんか、暖かい……。
……。
……あれ、まさか……
はっと目を開け、頭を上げると、視界に飛び込んできたのは見慣れた後頭部。
あ、なんかいい匂い……じゃない！
おんぶされてる……!?
「……あ！ スィス、やっと起きた〜」
声が聞こえた方に振り向くと、そこにいたのはゴン君。
「お、マジか。やっぱ気絶の原因はショックだったのな」
反対側にはレオリオさん。
二人は心底安心したような表情で、私を背負っている人――クラピカさんに並んで歩いていた。
二人の言葉で私が目覚めたことに気付いたのか、クラピカさんがこちらに振り返る。
「く、クラピカさん……」
「起きたか。どこか痛いところはないか？ 薬を注射しても起きなかったからな……焦ったぞ」
「はぁ……大丈夫、です」
いまいち状況が把握できなくて、脳内が混乱する。
周りは森で、取り敢えず洞窟からは脱出できたらしいけど……
「あの……重くないですか？ 降ろしてもらっても……」
「特別重いとは感じないが……スィスが歩けるなら降ろそうか」
「あ、はい」
一旦立ち止まり、ゆっくりと地面に降ろしてもらった。
うん、普通に歩けるかな。
レオリオさんから私の鞄を受け取って、うーんと伸びをしてみる。
体の節々が若干痛んだが、不調はそれくらいだった。
「あの、私が気失ってる間に何があったんですか？ あれから何にも覚えてなくて」
「……あぁ、それはだな――」
三人から、起きたことを一つ一つ事細やかに説明してもらう。
レオリオさんが叫んでからすぐクラピカさん達が駆け付けたこと、レオリオさんと私を助けるためにゴン君がリスクを承知で解毒剤を取ったこと……
そして催眠ガスを利用して全員脱出できたこと。
「すごいねゴン君……息止めながら四人も運んだわけだ」
「えへへ、そうかな？ ――あ、そうだ」
何かを思い出したようだ。
ゴン君はリュックを前に回して、ガサゴソと中身をいじる。
「スィス、これ」
「……！」
84番の文字が刻まれた、一枚のプレート。
取り出されたそれを、彼は私に差し出していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 361人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くぅつか(プロフ) - キラさん» コメントありがとうございます！ 更新本当に遅くなりますがそれでも良ければお付き合いください！ (2019年1月3日 18時) (
レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - とっても面白いです！！とても続きが気になります！更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2019年1月3日 15時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - C＠音さん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです、更新できる限り頑張ります！ (2018年8月31日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
C＠音 - はじめまして！一気読みしましたが続きがきになって仕方ありません！更新頑張ってください！ (2018年8月29日 14時) (レス) id: ce7a2e00eb (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - 月翔×ミオさん» コメントありがとうございます、励みになります！ これからも頑張ります〜 (2018年8月23日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くぅつか | 作成日時：2017年10月5日 18時
