ゾルディックとは名ばかりです。【HUNTER×HUNTER】 (ページ10)

今日:6 hit、昨日:15 hit、合計:185,885 hit

7.ハンター試験の揉め事ページ10

.

「おいガキ、汚ねーぞ！そりゃ反則じゃねーかオイ！」

案の定というかなんというか、キルは怒られてしまった。
相手は……あ、さっき私の後に来た三人のうちの一人だ。
ごく普通のスーツに小さいグラサン。あんまりハンター志望って感じはしない。
というか背高いなー。イル兄より高いんじゃない？

「何で？」

キルは悪びれない様子で返す。
……あー8年ぶりにキルの声聞いた……まだ声変わり前かぁ、そっかそっか……
にしてもイケメンに成長したなぁ、いやー良かった。

「何でっておま……こりゃ持久力のテストなんだぞ」

確かに。

「違うよレオリオ、試験官はついて来いって言っただけだよ」
「ゴン！てめーどっちの味方だ!?」

しかしその人と並んで走っていた少年――この子も三人組のうちの一人だった……が、彼に反論する。
うーん言われてみれば正論。
私アホだな……

というかそれぞれレオリオさんとゴン君っていうのか。
こっちも覚えておこう。

「あんまりどなるなレオリオ、体力を消費するぞ。それにうるさい。」
「ぐぬぬ……」

レオリオさんにとどめを刺したのは三人組の最後の一人。
綺麗な金髪に、民族衣装のような服を着た人だ。
この人はなんて名前なんだろう？

「……ねぇ君、歳いくつ？」

……キルがゴン君に問いかけた。

「オレ？もうすぐ12歳！」
「……ふーん。やっぱ俺も走ろっと」

どうやらゴン君、キルと同い年らしい。
何を考えたのか、それを聞いたキルはちょっとスタイリッシュ(？)にスケボーから飛び降りる。

「オレ、キルア」
「オレはゴン！」

……え。
な、なんか友情みたいなの芽生えてるんだけど。
キルよ、どうやって家から抜け出して来たのかは知らないけれどいいのかそれで……？

なんて考え事をしていたせいか、私は足を絡ませて思いっきりすっころんでしまった。

「うわぁ!?」
「なっ……」

巻き込まれたのは丁度後ろにいた民族衣装の人。
突然倒れた私に彼は対応できず、足を引っ掛け転んでしまったのだ。

「ぐえっ」

地面に顔をクリーンヒットさせたところを、追い打ちするかのように彼に覆いかぶさられてしまった。
痛い。主に顔と膝が。