ゾルディックとは名ばかりです。【HUNTER×HUNTER】 (ページ47)

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43.ハンター試験の四次試験ページ47

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「んで、その精度がすっごいんですよ！ダーツやらせたら間違いなくフルスコアでしょうね。そうそうこれは二人目の兄の話なんですけどビックリするほど絵が上手くて――」
「う、うん♠ すごいね彼等は♦」

その後、私はヒソカさんに兄弟(主にイル兄とミル兄)についてべらべら語りまくっていた。
流石に名前までは言わないけれど、熱くなってかなり喋っちゃったなぁ。だって好きなんだもの。

「……で、キミはそのお兄さんたちのことが好きなのかい？」
「勿論！今でも大好きです！」
「……そう♦」

ヒソカさんは呟くように言うと、するりと立ち上がる。
あ、あんまりマシンガントークしすぎて鬱陶しいと思われたかな……

「そんなに好かれて、彼等も嬉しいだろうね♣ どうせなら本人の前でそれを言ってあげたらどうだい？」
「あ……」

ヒソカさんはそう言い残し、私に返事をする間も与えず、向こうに行ってしまった。

……まぁ、答えを求められても困っちゃうだけだからいいか。

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(ねぇ、あのままだとかわいそうじゃない♠)
(…………)
(……ところで、彼女の標的のことなんだけれど――)

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ゼビル島に着くまでの時間は、意外と短く感じられた。
ヒソカさんと別れた後は一人で黄昏てただけなのになぁ。

案内人のお姉さん曰く、三次試験の通過時間が早い人から下船していくらしい。
私は三番目か。あー、ターゲットがギタラクルさんじゃなかったらかなり楽に行動できただろうに……
……嘆いていても仕方ないかな。

ヒソカさん、ギタラクルさんが上陸するのを見届け、次は私の番だ。
振り返りゴン君達に向かって手を振ると、皆笑って返してくれる。

「スィス、死ぬなよ！というか合格しろよ！」
「レオリオさん……わかってますよ！あとゴン君たちも。皆で合格しましょう！」

正直空元気だった。
でも、皆の姿が、笑顔が、私に活気をくれる。

……少なくとも死にはしない！
出来る限り頑張って、それでもダメならまた再挑戦するまでだ。
できれば次は、自分の力で。

『では、三番の方スタート！』