ゾルディックとは名ばかりです。【HUNTER×HUNTER】 (ページ45)

今日:10 hit、昨日:15 hit、合計:185,889 hit

42.ハンター試験のクルーザーページ45

.

ゼビル島に行くまでの船の中。
私は一人で頭を抱えていた。

まさかターゲットがよりによってギタラクルさんだとは……
私の武器はこの爪と、なけなしの切れ味悪いカッターしかない。
そんなので真正面から挑んでも瞬殺だろうし、
なにか遠距離攻撃ができる武器があったとして、こっそり狙ったとしても、絶や隠ができない私はすぐ気付かれてまた瞬殺だ。

一応仲良くなったとはいえ、彼はきっと自分の邪魔になると判断したなら躊躇いなく殺すだろう。
常にギブアンドテイク。そんなオーラを感じていた。

これはもう1点のプレートを三つ集めるしかないかもなぁ……なんて考えていると、ヒソカさんが話しかけてきた。

「やぁ♣ 君の標的って誰なんだい？」
「あー……すみません、秘密なんです」

近くにゴン君達がいないことを確認してから、彼の言葉に答える。

「そうかい残念♥ 手伝ってあげてもよかったのに♠」
「あんまり頼りすぎるのも悪いんで……。……あれ、そういやギタラクルさん一緒じゃないんですか？」

正直、彼の申し出には飛びつきたかったが、相手が仲間のギタラクルさんだと知ったら何をするかわからない。
私はあくまでもさりげなく断って、彼のことについて問うた。

「彼はあんまり無駄に動き回ること好きじゃないからね♦」
「そ、そうなんですか……ところでヒソカさんと彼の標的、ってのは教えられません……よね？」
「詳しくは言えないけど、キミではないよ♣」

本当かなぁ。
まぁウソだったとしてそれを見抜いてもどっちみちやられるだろうし、信じてみるとするか……
私もヒソカさんではないです、と返してから、空を仰ぐ。

「…………」
「…………」

無言。

「……あの雲、綿棒に似てますね」
「そうだね♦ あっちは洗濯バサミだ♣」
「じゃああれは靴下ですね」
「その斜め上のやつは待ち針かな♥」

「……針かぁ」

イル兄、針を扱うの上手かったな。
私が物心つく時にはもうあの発を編み出してたし。
ミル兄はまだだったけれど、どんな能力になったんだろ。
フィギュアを操る能力？パソコンを操る能力？それとも美少女を具現化する能力……はムリか。
まぁどれにしろ、彼らしいものなんだろうな。

……懐かしいなぁ。

家出しといてなんだけど……、早く合格して、堂々と皆に会いたい。