ゾルディックとは名ばかりです。【HUNTER×HUNTER】 (ページ21)

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18.ハンター試験の魚釣りページ21

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皆が湖に素潜りやら川で魚手掴みやらしているのを傍目に、私は呑気に釣りをしていた。
なんせ、わかっているのはご飯と魚を組み合わせるということだけ。
ご飯の形、魚の切り方、何も分からないのだ。
早く魚をゲットしてもどうせ作れないのなら、別に急がなくても大丈夫だろう、と。

暖かい空気にあてられあくびをしていると、突然うきが沈んだ。
でかい。
慌てて大きくしなる竿を握り込み、力いっぱい引っ張る。

「ぐぬぬ……糸ちぎれないかな……」

私の心配をよそに、魚は暴れまわる。
手が痛い。マメができそうだ。
でも、離すわけにはいかない。

少しして、やっと五分間の格闘に休止符がうたれた。
光を反射してキラキラ光る大量の水しぶきとともに、そいつは空中を舞って私の目の前に落ちる。
私はしりもちをつきながら、そいつを見た。

……確かにでかい。けど、なんかキモい。
こいつを美味しい料理にしないといけないのか……

なんともいえない気分になりつつ、ピチピチ跳ねる魚をわきに抱えた。
うげーぬるぬるする……

－－－－－－－

私が会場につく頃には、皆大体料理にとりかかっていた。
今のところ合格者はいないらしい。

「やぁ、スィス。遅かったね」
「んー、ちょっとこいつを釣り上げるのに手間取ってですねー」

小魚をご飯で包んでいたクラピカさんが話しかけてくる。
私は彼の隣に陣取りつつ、さっき釣り上げた魚をまな板の上に置いた。

「！ずいぶん大きいやつだな」
「でしょ？かなり頑張ったんですよ、即席の釣り竿でね……」

どうやらクラピカさんも釣りで魚をゲッツしたようで、二人して釣りトークで盛り上がる。
今度一緒に釣りしに行こうという話まで出た時、レオリオさんが叫んだ。

「よし！できたぜー！オレが完成第一号だ！」

皆の注目が彼に集まる。
というか早いなー。やっぱ行動力って大事ね。

「やりますねぇレオリオさん。合格できるかな？」
「……そんなこと言えるのは、スィスがあのドームカバーの中身を見てないからだな……」
「え？」

期待する私とは裏腹に、クラピカさんはレオリオさんが合格できないと踏んでいるようだ。
そんなに出来が悪いのかな？
彼自身はかなり自信あるようだけれど……

なんて考えている間に、レオリオさんはもうメンチさんの前でドームカバーを開けていた。