【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ50)

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４９話ページ50

「日本号･･･」

肩を揺らしたが、それを誤魔化す様に態と咳ばらいをした。
日本号はその様子を何とも思っていないのか、いつもと同じような余裕の含んだ笑みを浮かべながらアタシの隣にドカッ、と腰を下ろした。

タイミングがいいのか悪いのか……何か話しかけてくるわけでもなく、日本号は黙ってこの部屋でわいわいしている他の刀剣たちを眺めていた。

その様子を少し眺めてから、アタシもアタシでご飯をつつきながら刀剣たちの様子を眺めていた。

酒が入っているから、というのもあるかもしれないが…今この状態での彼奴らの顔ここがブラック本丸だなんて事を忘れさせるほどにいい表情だ。

最初はあんなにも嫌悪感丸出しの表情で。闘争本能丸出しで。
一太刀交えた奴らだが…そんなことが信じられないほどの緩み切った笑み･･･

「わかるだろ、A。彼奴らが皆良い笑顔してるッてこと」
「･･････嗚呼、そうさねェ…本当に、良い笑顔だ」
「彼奴らのあの顔、雰囲気。作り上げたのは俺たちだ。てこたァ、守り抜くのも？」
「ン、勿論アタシ達。他の下品なヤツらなんかにアタシの可愛い刀剣を汚させて堪るかッてんだい」

顔を見合わせて笑い合う。この幸せはどれだけ強固に守っていたとしても些細なことで崩れるかもしれない。･･･が、そこから復興させるのだって、この子達が居てくれればきっと･･･

「で、さっき包丁と何話してたんだ？」
「･････････ナンデモナイ、デス」

不意に投げかけられた問いに少し落ち着いてきていた気分がガンッ、と下がる。思わず黙ってしまっては日本号と反対側に座る鶴丸の方へと視線を動かす･･･。

同じ部屋にいたとて、あの時の日本号はだいぶ酒飲んで博多とわちゃわちゃしてたから、此方にまで気が回らないと思っていたのに…

恐ろしや、近侍の観察力(？)

「ご馳走様でした。一期、昼食ありがとうね」
「いえいえ、喜んでもらえて幸いです。お粗末様です」

あの後、何とか日本号に対して知らぬ存ぜぬを貫いた。話せ、と頬をむにょんと引っ張られたから頭にチョップをかましてやれば、「うぐ」と少しうめいた後寝落ちた。

日ごろからの疲れもたまっていたのだろう。

「日本号は日当たりのいい部屋にでも寝かせてやっといてくれ。起きるまでしばらく放置してくれて構わないから。ゆっくり休ませてやってくれ」

「大将は何処に行くんだ？」

「アタシは…亀甲の所に行くさ。･･･一悶着、あるかもだけど」