【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ48)

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４７話ページ48

障子の前で喧嘩紛いなものを繰り広げていては、呆れたような声音の明石がひょこりと顔を出した。

「…すまん、恥ずかしいところを･･･」
「謝らんでいいです、ほな、早いところ食べましょ。……どこから攫ってきたんです、大人しくついてくるような刀とちゃいますでしょう」
罰が悪そうにアタシの後ろにいる鶴丸を見ては、明石は驚いたような顔をしてアタシに問いかけてきた。

「半ば強引だが引っ張ってきた。ほらァ、日本号ずるいぞーアタシにも酒注いどくれよ」
「おッ…Aも珍しく昼間から酒かぁ？そこの器もって来なァ」

その問いに軽く答えつつ、鶴丸を引っ張ったままずんずんと中に入っていった。
もう軽くおっぱじめている皆のおかげで居間の中は、酒の匂いが軽く充満している。大分久しぶりに酒の香りは肺に染みていく…日本号も大分出来上がってきているのか、へらへらとしたように、気前よく酒瓶を揺らして見せた。

「…おいおい、俺はこのままか･･･？」
「アンタも飲んだらどうだい、ご飯ならそこにあるみたいだしねェ」

アタシも盃を持っては日本号に酒を注いでもらった。アタシのスーツの袖をくいくいと引っ張ってそう聞いてくる鶴丸は、大分アタシのしっている性格と違うようだ。
･･･寧ろ、アタシサイドの子たちしかいない空間に一人連れてこられたんだ、軽く怯えたりするのもしょうがない、っちゃあ･･･ないか。

鶴丸が、手の付けられていない食膳の前に座る。その横に、アタシは腰を下ろした。アタシも一護の作った食事に手を付けながら、ひょい、と酒を口にしようとする･･･が、

「ちょ…主はん、ご飯の後は亀甲の所に行くんでっしゃろ？後のほうがええんとちゃいます？」
「……むぅ」
「…･･･そんな顔されても私めにはどうにも･･･」

盃に口をつける直前に明石に静止の声を掛けられた。
その理由はまっとうで、ぐぅの根も出ない程のド正論。だがしかし、本当にどれくらいぶりかわからない程のお酒が目の前に有って、意思は少し揺らいでしまっていた。
一護に目を向けるも、申し訳なさそうに一度笑ってから、そっと目を逸らされるだけだった。

「……口付けてないから鶴丸、アンタ飲みな」
「不貞腐れてる状態でもらってもなァ…」

タンッ、と軽く音を立てて鶴丸の食膳の方へと盃を置いてやっては、此方も苦笑をしてきた。
確かにそういう反応されるのもしょうがないだろう。