2話 ページ3
まぁ、此処でうだうだ考えていても仕方がない。そう思えば、勢いよくガラリと広間の扉を開く…つもりだった
「……止めるなんてなんのつもりだい?日本号。まさかまさか、二ヶ月ぶりで怖気付いた、ってわけじゃあないだろうねェ?」
クッと手首を強めに掴まれては少し睨むも日本号は何も感じていないのか、何時もの様にけらり、と余裕そうに笑った
「アンタこそ。さっきから思ってたが結界も何もつけずに突入する気か…?足下掬われるぜ」
「……あ、そっか」
その様子を見て日本号は軽く笑いながらもアタシの頭を撫でた。
全く、アタシも子供じゃあないんだ。…そりゃ日本号から見れば赤子のようなもんだけどねェ…
日本号の手はどうも心地いいから払う気にはなれない。
パチン、と指を鳴らして私と、一応日本号の周りにも結界を貼っておいた
チラリと日本号をみると満足げな様子だから大丈夫なのだろう
「失礼するよ……って、……?」
目の前に広がるはこちらを睨む刀剣男士達。
そう、ここまでは普通に想像のできたことだが…どういうことだろうか、数が圧倒的に少ないねェ…
確かに資料には「レア以外は殆ど折られた」とは書いてあったが…見事なもんだ
本当に…此処にいるのはレアなヤツばかり
三日月、小狐丸、小烏丸……まぁここら辺は予想は付くな。
短刀…としてはレア枠の厚、平野…あと謙信はいるのか…
何れも傷ついてはいるがねェ…
日本号も彼らの様子を見ては顔を顰めた。
同じ刀剣男士がこんな目にあってるんだ。何回突入したって、慣れないのは無理もないだろう。
はぁ…と小さくため息をついては眉間のシワが深くなるのを感じる。ソレを少し解してから彼らの前、上座に座る。
日本号はどこからの攻撃にも対応できるように私のすぐ近くに立って軽く槍を構えている。
「え〜…っと、倉木A。元々政府勤めだったが、今日で個々の審神者に配置された者だ。
アタシがここの審神者になったからにはここを徹底的にアンタ達が居やすくなるよう尽力を尽くすからよろしく頼むね?」
「阿呆だなぁ……ッ!真名を名乗るとは政府も落ちたものだ、直ぐにでも握って隠してやろ…う…ッ?」
アタシが名乗った途端にグッと右手を握ってアタシの真名を握ろうとしたのは
三日月。
まぁ………アタシの名前は既に日本号に握らせてっから誰も取ることは出来ないけど…ねェ…?
握った感触がしなかったのか、三日月も驚いたような顔をしながら自分の手を見つめていた
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ガーベラ - はじめまして!課長様、姉貴肌ですね〜。こんなお姉ちゃん欲しかったな〜。続き楽しみにしています!これからも更新頑張ってください! (2020年11月28日 20時) (レス) id: cdc708129e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病蛟 | 作成日時:2020年7月12日 17時