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12話 ページ13

「まっさか厨掃除がここまで早く終わるとは思わなんだ…感激だねェ?」

厨近くの縁側に座っては、アタシと日本号と、今回手伝ってくれた小烏丸と一緒にお茶を嗜んでいた。
お茶といえば…鶯丸、か。広間では姿が見えなかったが…折られてはないと思うんだよねェ…多分


「ま、この後風呂掃除も残ってる事を忘れんなよ?一休みしたらまた仕事だ」
「へいへい、わかってるっての、日本号」

少し不満気にそういえば日本号は苦笑しながらお茶を飲んでいた。

「……俺ぁ、酒の方がいいんだがな…」
「真昼間か飲んでンじゃあないよ、この酒豪。せめて夜まで待ったらどうだい」

小さく呟いた日本号の言葉は地獄耳のアタシにとっちゃあ普通に聞き取れる。気まずそうに目線を逸らした日本号に今度はアタシが苦笑する番だった。


外を眺めては空から日が完全に差していてほのかな暖かさが心地よくて仕方がない。アタシが猫だったらぜ…ったい寝てる…寝たい…なんか、ここに来て一気に前の部署での疲れが……


「……審神者達は仲が良いのだな?」
「ん…そりゃあ…アタシ達が出会って6か…7年位経ってるもんねェ?」
自分で言いながらも、そんなに経ったのか、って感じた。


審神者は初期刀5振りしか選べない。だけど、アタシ達政府の人間は申請すると誰でも配布してもらえる。


一番最初に近似にする刀剣を申請する紙が配られるンだが……中には小狐丸、と書いて実際に小狐丸を配布される人もいた。
また、短刀、と書いて短刀の中からランダムに配布されていた人もいた。


ちなみにアタシは「一緒に酒呑みできる刀剣」って書いたらたまたま日本号だった。ってワケだ。
最初は右も左もわかんなくて、しょっちゅう喧嘩なんかしてたけど、いまじゃあいい思い出さねェ…

「そうか………審神者…いや、Aと言ったか。我の子らを…よろしく頼むぞ?」
「へ?……ガ……ッぐ…!」
「ッ!おい、A!!」

きょと、しながら小烏丸の方を振り向くも、それは叶わない。
気づいた時にはアタシの体は宙を舞い、襟首を掴まれて引っ張られて……息ができないモンだから流石にヤバイと思った。
日本号が焦ったようにこちらに手を伸ばしアタシの腕をつかもうとしたが指先が掠っただけ…
小烏丸はひどく驚いた顔をしていて、小烏丸は関与していない事が見てわかる。

「ッ……!た、すけ…ッ!」

腕を必死に伸ばすも、後ろに引っ張る力が強いから何もできない。
無情にも襖はピシャ、と音を立てて閉まった

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ガーベラ - はじめまして!課長様、姉貴肌ですね〜。こんなお姉ちゃん欲しかったな〜。続き楽しみにしています!これからも更新頑張ってください! (2020年11月28日 20時) (レス) id: cdc708129e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:病蛟 | 作成日時:2020年7月12日 17時

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