７話 ページ8
非常に不味い、この状況は！
一期の攻撃は休む暇を与えてくれないほど早く襲ってくる。
今まで見た中で一番の速さだねェ…こりゃあ…
言霊で止めさせたいものだが、生憎言霊というものは長い時間霊力保持者と刀剣が一緒にいないと使えない技だ。
刀剣に霊力が染み込んでから使うことのできる技。
会ったばっかりの一期に。何より、ブラックだった彼らに言霊は使いたくもないし、使えるわけもなかった
「ッち…！分が悪い！」
軽く舌打ちをして、ざッ…と後ろへ跳ねると同時に一期も自身を突き出してくる。
廊下、という狭い空間から勢いのまま庭に降りては何とかアタシの愛刀に手をかけた。
全部は抜かない。半分だけ抜ければ、それでいい…！
「お覚悟！」
「ッ…たぶないねェ！」
振り下ろされた刀を半分だけ抜いた愛刀で受け止める。ガキ…と鈍い音がしては刃の間にチリッと火花が舞った。
さすがは刀剣男士、ということもあり力は半端なく強い。押し負けそうになりながらも跳ね返して情勢を立て直した
このまま攻防を続けてちゃあ絶対にアタシの命が危ない…
「弟たちを…これ以上辛い思いをさせるわけには…！手入れさせて希望を持たせるならば…どうせ裏切られるならば…！…吉光の名は、伊達じゃない！」
「ッ…会心の一撃かいッ…！にしてもさぁ！アンタ、それでも本当に数ある粟田口の兄貴かァ！？」
流石に受けきれなかった分、体に傷を負ってしまったが、まだ動ける。
傷口が痛みを伴って熱くなっていく中、アタシは苛立っていた
何が…希望を持たせるくらいならば、だ！
何が…これ以上辛い思いを…だ…！
「アンタのそれは、アンタ自身が何を通してでも審神者と共存したくないが為の保身じゃあないか！それで本当に博多が…包丁が！その他のアンタら粟田口の子が幸せになるとでも思ってんのかい！」
そう、アタシが叫ぶと一期は酷く傷ついたような顔をして一瞬動きが止まった。
こんな顔をさせたいがために言ったワケじゃあないんだが…ね！
しかし、動きが止まったのは本当にほんの一瞬。次の瞬間にはすぐに斬撃が飛んできた
「あなたに何がわかると！人間に…愚かな生物に何がわかると！目の前で弟たちが折られ！苦しみ！辱めを受ける様をまた見る日々が続くというのなら…私は……私は！」
涙を流しながら語る一期にハッとした。アタシも一瞬動きが遅れて足が縺れる。
好機、とでも思ったのか。一期はすぐにアタシの首目掛けて刀を振るう。
「いち兄！だめだ！」
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ガーベラ - はじめまして！課長様、姉貴肌ですね〜。こんなお姉ちゃん欲しかったな〜。続き楽しみにしています！これからも更新頑張ってください！ (2020年11月28日 20時) (
レス) id: cdc708129e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2020年7月12日 17時
