【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ41)

今日:11 hit、昨日:5 hit、合計:151,215 hit

４０話ページ41

それを見かねた日本号が私を落ち着かせるようにそっと背中に手を当ててくれた。多分アタシの顔は今、引き攣っていることだろう。

ふんふん、と殊更気分良さげな亀甲の横で、小烏丸はちらり、とアタシの顔を一度見た後小さく頷いた

「亀甲、主も今は疲れているようだし、一旦休ませてやってはくれぬか？この匂い、飯時もそろそろだろう。今のお主の身体じゃ食を受け付けるかどうかは知らぬが、話はその後で」

「…あ、あぁ。そうだったね。ご主人様は二振り連続で手入れした後だと言っていたし…分かったよ。先ずは食事を取ってきてくれるかい？僕はその後で良いよ。今の状態では多分、食べても戻してしまうからね」

そう言って、そっと立ち上がった亀甲はカラリと障子戸を開けて部屋から出て行った。その足取りは、なんとも軽いものに見えた。まだ出血しているのか、それとも傷口が開いたのか、歩いたところには転々と血の跡が続いている。

「いや、矢ッ張り今治す。日本号、亀甲を呼び戻し、」
「そら、いかんばい」

流石に痛みを感じないとは言え、あの状態でいるのは彼方も気分が悪い事だろう。日本号に呼び戻すよう頼めば、瞬間、博多から被せられるように止められた。
博多の方を向けば、メガネの向こうにあるのは真剣な瞳、思わず押し黙ってしまッた。

「Aは連続手入れしたばっかと。その状態でアレを治すのは頑張りすぎばい。それは、其れだけは、何としても許さんたい！」

ぷくー、と頬を膨らませて此方を見る博多に、小さく頷いた。この調子でじゃあ、本当に許してくれなさそうだしねェ。

「ん、わかったよ。ちゃんと、ご飯を食べてからにするから。それなら良いだろう？ふふ、そしたら皆んなで一期のところに向かおうかねェ」

「うむ、承知。我もちと腹が空いてきたのでな。丁度良い頃合いだ」
「博多の意見にゃ賛成だな、お前さんはもうちょい身体を大切にしろよ、ッて前も言った筈ンだが」

アタシが賛同して立ち上がれば、それに続くようにして小烏丸や日本号が立ち上がる。博多はぱ、と顔を明るくして「一兄のお手伝いしてくるばーい」と元気に厨へと走って行った。流石短刀の機動力だ。

ジト、とした目で日本号に言われれば、ぐぅの音も出なかったので取り敢えず目を逸らさせてもらった。

廊下に出て、進行方向の後ろ側を振り向けば、転々と繋がる血痕。

後でソレは拭く事にして…
「早めに、ご飯食べ終わして治す事としようか」

「「勿論」」