２４話 ページ25
部屋に沈黙が広がって早数分、かしゃん、と残り時間が音を立てて減っていく
「主、神力を十分に流し込み終えました。…これで、良いのですよね？」
「…ん、十分に出来てるさ。有り難うねェ、一期」
そっと差し出された神力交じりの半紙と墨に少し霊力を流してはパチッと静電気のような物が走る。きちんと神力が流れている証拠。
受け取っては心配そうな一期にお礼を言って撫でてやった…ら、
「…わぷっ！いち兄の桜の威力恐ろしか〜ッ！」
「障子開けへんと花弁溜まってまうで！」
「ちょッ…ま、なにやってんだい、一期！桜吹雪とめ…ッぅわ…！」
「元はA、アンタのせいだぞ！？」
…こんなことになるとは思ってなかった。
「…さて、騒動が落ち着いた所で…再開作業だ」
粗方の桜を部屋からそのまま庭に撒いては髪の毛を直しながらそう言った。
まだちらほらと桜の花弁は残っているものの、さっきほどではないからまぁいいだろう
半紙を用意しては筆に墨をつけて静かに深呼吸をした。そっと筆を半紙につけてはゆっくり、丁寧に文字を書いて行く。
『伯耆国本丸 後藤藤四郎』
シンプルにそうとだけ書いた後、政府の役人が持つことを許される刀剣男士達の家紋の様な判子を押す。
これは勿論後藤の分だ。大量にあるが名前順に分けられてるから探し出すのは簡単だしねェ？
「…よし、これで準備は完了さね。こんな感じで神力の混じった半紙に墨でこの本丸の所属国、あとその刀剣の名前と…その刀剣の印を押せば完了だ。」
半紙の内容を見せれば刀剣達はおぉ…と感嘆した
と、同時にカチッと小さく音が鳴る。刀剣が出来上がったか…。
そっとアタシの前に妖精が刀剣を差し出して来る。それを小さく礼を言いながら受け取っては半紙の印を押した部分の上にそっと置いた。
「ここからが神降しの本番だ。取り敢えず、物事が終わったら後でゆっくり説明してやるから今は見ててくれるかい？」
全員が頷いたのを確認しては刀剣に向き直る
元々顕現前の刀剣はなんの魂も、神も宿っていない純粋無垢なただの刀剣だ
アタシ達が霊力を流し込むことで本霊が反応し、分霊をこの刀剣に寄越す。
今からするのは……遥かに難しいこと……
「『此れより行いますは後藤藤四郎の神降しで御座いますこと。差し出したるは我、倉木Aの霊力と一期一振の神力であります。我らの波長相しもの、此度此処に顕現せよ！』」
いつもの決まった言葉に霊力を半紙に流せばフッ…と目の前が暗くなった
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ガーベラ - はじめまして！課長様、姉貴肌ですね〜。こんなお姉ちゃん欲しかったな〜。続き楽しみにしています！これからも更新頑張ってください！ (2020年11月28日 20時) (
レス) id: cdc708129e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2020年7月12日 17時
