最強メイドちゃん【wrwrd】【日.常.組】

第22話 ページ29

〜貴方視点〜







『……それは…


本当で御座いますか。』


冷たい声が、自分から発せられた。





gr「……ああ。





犯人は、Aの叔父だ。」



そう言われて、ぱっと顔が浮かんでくる。


柔らかそうな笑みに、

綻んでいる目元。

私もだし、私の妹も良く懐いていた。









…まさか、あの人が。









憎しみとか、悔しさとか

そんなものは感じなかった。









続けるゾ、と言って、叔父の情報を語るグルッペン様。




gr「彼は後継に不満を感じていたようだな。




Aの家は女性が後を継ぐ決まり。


男に生まれて、その夢は叶わなくなった。






屋敷内の一族から男を集め、



襲撃。







ありきたりな理由と

ありきたりなやり方だ。」



叔父の資料を眺め、吐き捨てるように言ったグルッペン様。








話が終わった後の静けさが耳に染みる。



私の返事を待つように、グルッペン様は視線を寄越した。








gr「さァ、お前はどうする？」









私は…………









『グルッペン様……。









どうか私に、長期休暇のお許しを。』









gr「…………ほう。」








まるで"その返事を待っていた"とでも言うようなカオ。


証拠に、グルッペン様の口は弧を描いている。








gr「……当ては？



行く当てはあるのか？」



その言葉で、咄嗟に記憶を探る。






安心できて

私を自由に動かせてくれる。


かつ

情報が集まる………








それって

一人しか








.









.









『………ぴくとさんの所に







取り合ってみます。』







gr「…………ふむ。






そうか。」






許可は得られなかったのだろうかと案じていると


渡されたのは一枚の紙。






『………"我々国の幹部である事実を続行させること。

何かに困ったら、直ぐに戻ること。

幹部には助けを求めても良いが、戦闘などは自分で行うこと。"…？』







gr「……契約書だ。」






そう言われ、紙を見返す。


その時見つけたものに、

思わず、頰が緩むのが分かった。









この国は



随分優しいのですね。









"必ず

無事で戻ること。"









紙の隙間に、グルッペン様の直筆で書かれたその文字。



それを目に収めてから、私はグルッペン様に向き直った。









.









『ハイル




グルッペン。』





仰せのままに


総統閣下……

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