恋に至らせるに足る（HJ） ページ43
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事務所内、自販機の前の長椅子でぼーっと休憩していた私のところに、ヒョンジンはひょっこり現れた。隣に座って、何か言いたげな表情でこちらを見つめている。
「……なに？」
「ヌナ、彼氏と別れたってほんと？」
「…どこで聞いたのそれ」
見知った同僚のスタッフの名前を口にするヒョンジナ。
確かに、二日前話した。意外と口軽いんだなあの人……
割と長いこと付き合ってた彼氏とちょっと前に別れた。半分、惰性ではあったと思う。きっかけというきっかけもなく、お互いもういいか、みたいな感じの別れ方だった。
「ねえほんと？」
で、なんで君はそんなに嬉しそうなわけ。
傷を抉っといてその笑顔はちょっと理解に苦しむ。まあ、同情されても困るけど。
「ほんとだよ」
「へ〜そっかそっか〜」
「…なんなの？」
「ん？いや、別に」
「別にってことないでしょ」
「…これでやっとヌナのこと誘えるなって」
「は？」
思わず笑ってしまった。突拍子もない冗談を言うもんだ。
ヒョンジンはそんな私を見て眉間に皺を寄せた。
「……本気なんだけど」
「ヒョンジナさあ…、お姉さんからかうの良くないよ？」
いやー…ないない、と笑いながら立ち上がる。瞬間、座ったままのヒョンジンに腕を掴まれた。ふと向けた視線が彼の上目遣いに捕まって、私の心がちょっと揺れる。
「…俺とご飯、行ってくれませんか」
普段敬語なんてあんまり使わないのに。話しやすいって思われてんのかなー…とは思ってたけど。
「……なに、本気なの？」
「だから言ってるでしょ、本気だって」
「……」
こういう感じが久し振りすぎて、だんだん激しくなる動悸に身体が慣れない。私、ここ数年恋愛してなかったんだな…。
「俺、ヌナのことすごい…なんていうか、タイプで…」
そういう台詞とか。ちょっと照れまじりの真剣な目、とか。
全部全部慣れてない。
「ずっと可愛いなー…って思ってた」
私の中の何かが、音を立てて落ちていくような気がした。
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ねむを(プロフ) - 千景さん» そう言っていただけて安心しました〜！素敵なご意見ありがとうございました！！ (2023年2月13日 21時) (
レス) id: 89ca3ce3a0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむを(プロフ) - にゃんさん» こちらこそありがとうございました！！ (2023年2月13日 21時) (レス) id: 89ca3ce3a0 (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - 2つとも採用していただきありがとうございます🙌🏻💕 特にリノのお話がドンピシャすぎました🥲♡ (2023年2月12日 16時) (レス) @page48 id: 2ff177cf34 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - わぁぁ!リクエスト採用してくださりありがとうございます✨ (2023年2月2日 23時) (レス) @page41 id: 58d06a67d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむを(プロフ) - まふゆさん» そう言ってもらえて安心しました…！！学パロ書くの楽しいことに気づいたので今後もちょくちょく書いていこうと思います☺️またいつでもお受けします〜！ (2023年2月2日 23時) (レス) id: 89ca3ce3a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむを | 作成日時：2023年1月3日 19時
