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8話 ごめんなさい ページ9

___





せめて傷口だけでも綺麗にしようと思って、私は携帯している水筒の水を優しく無一郎くんの腕にかけた。



そして、先ほどちぎった隊服の一部を包帯代わりに使った。




「絶対に死なせない…」









頑張って、無一郎くん…







そう祈りながら、無一郎くんの手を握った。









___






「小花衣様!」








しばらくぼー、と夢心地で無一郎くんを見つめていたが、名前を呼ばれたことによって現実に引き戻された。






隠が来て有一郎くんの遺体や家の血の処理が始まったらしい。







「ごめんね…有一郎くん…」









________






先に本部に戻り、しっかりと手当てされた無一郎の顔を見ながら呟いた。






呼吸音が聞こえるのを痛く安心した。








「無一郎くん…生きててよかった…」








手を握りながら私は泣いていた。





「…小花衣、その子供が…」




任務を終え様子を見に来た冨岡さんが部屋の前に立っている。





「…冨岡さん私、どうしたらいいのでしょう。

この子と兄を引き剥がしたのは、私です」









無一郎の微笑んだ顔が頭に浮かぶ。




「最初は、仲の悪い兄弟なんだと思いました。

兄は言葉のきつい子で、いつも無一郎くんは悔しそうな顔をしていて」








冨岡さんが静かに私の隣に座った。









「でも、そんなことはなかった…私がついた時、2人は手を握りあって倒れていました」







何も言わずに冨岡さんは聞いてくれる。






___少し、甘えてしまおう。





潰れてしまいそうな心を、誰かに話したかった。

9話 記憶は綻び→←7話 銀杏が散る



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るりり - 嗚呼・・・。なんて可哀想な夢主ちゃん・・・親を幼い頃から両方とも亡くすなんて・・・。 (2020年8月14日 15時) (レス) id: cd5947ff54 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - みどりさん» ありがとうございます!イチャイチャまでが長すぎて申し訳ないです…着実に進んでるのでお楽しみに…!!!!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 50f77e07c8 (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 面白いです!これからどう時透くんとイチャイチャしていくんだ…←不純な動機(?) 楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2019年11月5日 21時) (レス) id: ae6be26781 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 柊よるさん» ありがとうございます!嬉しいです〜!了解です!読みに行きますね〜!!! (2019年11月4日 22時) (レス) id: 50f77e07c8 (このIDを非表示/違反報告)
柊よる(プロフ) - 面白かったです!これからもがんばってください!応援してます!宜しければ私の作品も読んでみてくだs(((殴 (2019年11月4日 19時) (レス) id: d4860154b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なこ | 作成日時:2019年11月4日 8時

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