霞柱の師範は。【鬼滅の刃】

31話 期待 ページ32

鈍い音が響いた後、不死川さんはばたん、と倒れた。





炭治郎くんが、不死川さんに頭突きをしたのだった。







「ぷっ」






蜜璃ちゃんが吹き出して、柱達の視線が彼女に集まる。





「すみません…」





蜜璃ちゃんは恥ずかしそうに顔をしかめた。




ちなみに


私も心の中でガッツポーズをした。




炭治郎くんよくやってくれた！






「…テメェ」








「お館様の 御成です」




その言葉が聞こえた途端、不死川さんを含めた柱が全員集まって膝をついた。






そして





「おはよう、皆。





今日はとてもいい天気だね…空は青いのかな？





顔ぶれが変わらずに半年に一度の“柱合会議”を迎えられたことを 嬉しく思うよ』








お館様がそう言った。





なんて落ち着く声なんだろう。






心地よいお館様の声に耳を傾けていると、ある言葉が耳に残った。




"炭治郎と禰豆子を認めてほしい"




という言葉だ。







それにくわえ、禰豆子ちゃんが人に危害を加えた場合、





水の呼吸の育手として有名な鱗滝さんと、冨岡さんが腹を斬る事を誓ったと。









私は嬉しかった。



押し付けになってしまうかもしれないけれど、自分が助けられなかった"鬼になった妹"を、炭治郎くん達が救ってくれるんじゃないかと。





だから私は2人を応援していた。









「…雛さんてば」









そう期待を込め、微笑みながら炭治郎くんを見てると、横から無一郎くんに裾を引っ張られた。

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