12話 葛藤 ページ13
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冬も中盤になって来た頃。
無一郎くんの怪我がある程度治った。
それからは私の屋敷に住んでいる。
「…」
無一郎くんは表情が抜け落ちたように、ただ一点を見つめている。
…ほんとうに、別人みたい
「…ねえ、雛さん」
無機質な瞳に、私が映る。
「僕、なんでこんなに怒ってるんだろう。
なにか、大切なものを奪われた気がする」
「それは…」
記憶を失っても、鬼への怒りは残っているんだ…
「僕、強くなりたい」
「え?」
「お館様から聞いたよ。
雛さんはとても強いんだって。」
無一郎くんは一呼吸おいて、口を開いた。
「僕に剣を教えて」
「…うん」
剣を持つ、ということは、少なからず鬼殺隊に入る、と言い出す可能性がある。
こわい
鬼との戦闘で、私はこの子を失ってしまうんじゃないか。
「…どうしたの?ぼーっとして」
「あ、ううん、なんでもないよ。」
次の日から、私と無一郎くんは日常に少しずつ稽古を入れていった。
あっという間に無一郎くんは強くなっていき、派生した"霞の呼吸"という呼吸までも習得した。
そして、剣を握って1ヶ月ですぐに最終選別を受けると言いだし、
止めたにも関わらず最終選別に行ってしまった。
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るりり - 嗚呼・・・。なんて可哀想な夢主ちゃん・・・親を幼い頃から両方とも亡くすなんて・・・。 (2020年8月14日 15時) (レス) id: cd5947ff54 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - みどりさん» ありがとうございます!イチャイチャまでが長すぎて申し訳ないです…着実に進んでるのでお楽しみに…!!!!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 50f77e07c8 (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 面白いです!これからどう時透くんとイチャイチャしていくんだ…←不純な動機(?) 楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2019年11月5日 21時) (レス) id: ae6be26781 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 柊よるさん» ありがとうございます!嬉しいです〜!了解です!読みに行きますね〜!!! (2019年11月4日 22時) (レス) id: 50f77e07c8 (このIDを非表示/違反報告)
柊よる(プロフ) - 面白かったです!これからもがんばってください!応援してます!宜しければ私の作品も読んでみてくだs(((殴 (2019年11月4日 19時) (レス) id: d4860154b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なこ | 作成日時:2019年11月4日 8時