硝子の太陽4【爆豪勝己】 (ページ6)

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エピソード143 気持ちの答えページ6

爆豪「あの時はってことは…今はどうなんだよ」

言葉が詰まる。

私は、勝己のことが好き。

でもそれは、果たして幼馴染として好きなのか。異性として好きなのか。

日本語はとってもややこしい。同じ好きなのに、天地のように相反する答えに思えてくる。

正直なところね、

『今の私には…わからない』

自分の気持ちなのに、答えが出せないなんて。

こんな無責任なことを言う日が来るなんて、考えてもみなかった。

時間をかけてじっくり考えればわかるのか、と聞かれてもイエスとは言えない。

円周率の果てがないみたいに、永久に答えが出せないってこともあり得る。

爆豪「…そうか、」

勝己はエスプレッソを飲んだ時みたいに、苦そうな顔をして言葉を繋ぐ。
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爆豪side

曖昧すぎるアイツの答えは、心臓の中に金魚が泳いでるみてーな…気色悪りぃ感覚を覚えた。

爆豪「デクの野郎にも聞いたんだが…

自分の体も心も、たしかに自分のモンなはずなのによ、

他の誰かが自分の心を回してるみてーな…そんな感覚になったことはねーか？」

デクが知ってて俺が知らねーってのは胸糞悪りぃが…Aは、知ってんだか。

『…わかるよ。

その誰かが笑ったら自分まで笑って、泣いちゃったら必死に背中をさすって、

自分のことみたいに思って、それでいて自分よりも優先したいって思えちゃうこと…。』

心に弾丸が貫くみたいに、その通りに言い当てられていく。

ここまで来ると胸糞悪りぃどころか清々しい。

『それは、恋って言うんだよ。』

恋…、？

その言葉を聞いた瞬間、弾丸は心の残った細胞を1つ残らず消し飛ばした。

胸糞の悪さはどっかに消えちまって、久々になんか…スッキリした。

『勝己も、誰かに恋に落ちたんだねーーーー』

爆豪「誰かにって誰だよ、」

『鈍感だな～。勝己が言う、勝己の心を回してるって子だよ。』

俺がその…恋してるってのは、！

『ちなみにさ、誰？』

急に体中が熱を帯びた。

爆豪「い、言えるわけねーだろアホ！！」

『あれ、いつもの勝己に戻っちゃった…

まあ、勝己にだって言いたくないことの1つや２つはあるもんね。わかる気がする。』

爆豪「んだよ…まるでお前も踏み込んじゃいけねー内容を隠し持ってるみてーな口振り…。」

Aの海色の瞳が揺れた…まずいことでもあんのか？

『まあ、いろいろあるんだよ。私にも。』

…初めて、Aに言葉を濁された。