硝子の太陽4【爆豪勝己】 (ページ4)

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エピソード141 何度だってページ4

ーーー昨夜のかっちゃんとの話の全てを話したわけじゃない。

Aちゃんに対するかっちゃんの想いも僕の想いも、決して軽いものじゃないから。

緑谷「かっちゃんは…あの時、Aちゃんのことで悩んでるって言ってたよ。」

かっちゃんは気づかないふりをしてた。

想いを自ら凍らせていた。

誰かを愛することは、痛みや苦しみを伴うと、幼い時にAちゃんの家族を見て知ったから。

それに自分の気持ちが抑えきれなくなって、

Aちゃん自身を傷つけてしまうこともわかっていたから。

でもAちゃんのドッキリ混じりの軽いキスは、凍らせた心にお湯をかけたんだ。

いとも容易く、呆気なく。

なりたくない自分になってしまうのが怖かったんだ。

だからきっと、泣いてたんだと…そう思う。

緑谷「Aちゃんも…今日の授業での隙は、かっちゃんのことじゃないの？」

Aちゃんは、掌を握り締める。

緑谷「だったら2人で話して、お互いの気持ちを言えばいいんじゃないかな？

1人で抱え込んでるよりも、言いたいこと言った方がスッキリするし！」

僕は、自分に不利なことばっかり言ってるな…。

もしかしたら2人の想いが結んで、明日には手を繋いで笑いあっているかもしれないのに。

不利なことでも、その気持ちを抑えてこんなアドバイスが出来るのは、

きっとAちゃんが、幸せであって欲しいと願うから…。

笑ってて欲しいと、心から願ってるからなのかな？

背中を押せるなら、なんだって手助けしてあげたくなっちゃう。

『出久、私…！』

緑谷「ほら、早く行って！かっちゃんのところに。僕は大丈夫だからさ！」

『ありがとう…大好きだよ、出久！』ニコ

彼女は、走って行く。次第に見えなくなった。

あんなに優しい言葉を、あれほど淑やかな声と、太陽みたいなあったかい笑顔を添えて

言われて、誰がときめかないんだろう…？

僕は、たったそれだけで何度だって恋に落ちてしまうんだ。