硝子の太陽4【爆豪勝己】 (ページ30)

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エピソード167 狐のお面がページ30

刀と刀が競り合う金属音。

僕達はその戦いの威圧感に

負けて動けなかった。
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Aside

刀には刀だと思って

刀使ってるけど…実は刀は初めて。

慣らすために軽くウォーミングアップをする。

ステイン「お前ほどのヒーローは初めてだ…！

貴様の名は？」

『なんだよ急に。

◯の名は。みたいな言い方…

名を名乗るほどの者じゃないよ、

ただのヒーロー志望さ』

ステイン「ハッ…益々気に入った！！」

『いや、気に入られても

嬉しくないんだけど』

鍔迫り合いをしながら会話してたものの、

お互いに刀を押して後退した。

ステイン「今まで俺を殺していいのは

オールマイトだけだと言ってたが…

お前になら、殺されてもいいかもなぁ！」

『私は人を殺さないよ。』

きっぱりと答える。

『貴方の犠牲で悲しむ

誰かがいるかもしれないでしょ？』

ステイン「その根拠は？」

『前にも言ったけど…

信じなきゃ何も始まんないよ。』

勢いよく刀と刀がぶつかり、また競り合う。

一撃一撃が重たい。

…けど。

『信じなきゃ、強くなれないよ。

あと…私は剣使いじゃない。』

私はガラ空きになったステインの足を

素早く引っ掛けて体勢を崩す。

それに気を取られた隙に、

思いっきり刀に力をいれて、

ステインを押し倒し、馬乗りにする。

なんか、恥ずかしい。

『ごめんね、こんなプレーは

好みじゃないんだけどさ』

ステインの持った日本刀を

手の届かないところに蹴り飛ばす。

脇に携帯してるナイフが使えないように

肩、腕、手首の関節を外す。

その度に苦しそうな呻き声が響く。

『私も心苦しいよ…

だけどこうでもしないと、

私はおろかあの子たちも殺すでしょ？』

次は足の関節…そう思って振り向くと、

足を器用に使って

私の顔目掛けてナイフを突き刺した。

『…っ！』

緑谷/轟「「！！！」」

『眉間目掛けて突き刺すもんだから…

もうちょっとで眼球破裂だったよ…』

死柄木さんがくれた狐のお面が

私を守ってくれた。

…まずい、出久たちにバレる！

幸い、出久たちには顔は見られてないようだった。

ステイン「お前…！！」

『折角いいところだったのにな…

正体がバレたら面倒だし、

時間稼ぎも随分出来たかな…』

『有精卵！！あとは頼んだよ』

顔は見ず、背中を向けたまま言い放ち、

その場を去った。