エピソード157 交渉 ページ20
起きて、バーに顔を出すと
早速ベーコンの焼けるいい匂いが広がってた。
『おはよ、黒霧さん。』
黒霧「おはようございます。今朝はサンドウィッチですよ」
『やった！手伝います』
霧さんは既に卵の殻を剥いてたから、
私は氷水に浸してあったレタスを千切る。
氷水は、初夏の暑さに打ってつけだった。
死柄木さんがドアを開けて来た。
『おはよ、死柄木さん。』
そういえば昨日のことあって…
なんとなく意識しちゃう、かも。
いやでもきっと死柄木さんは
私が寝てたからやったし！
ていうかキスじゃないかもしれないし！
死柄木「おはよ」
私の心境を知らない死柄木さんは、
優しく笑う。
大人だ〜！！
きっと死柄木さんは優しい人だから、
女の人にキス位普通なのかな…？
いや、もう既に私が知らないだけで
あんなことやこんなことしてるのかな！？
そもそもこんなこと考えてる時点で
私変態！？
黒霧「Aさん、レタスそんなに千切ったら
塵になりますよ」
『はっ！ご、ごめんなさい』
塵になるっていうかもう塵になってるね…
ごめんねレタスさん。
責任もって食べるから安心して…
ご飯食べて、トレーニングして…
時間が出来たらヒーロー名考えて…
夕飯の後。
死柄木「これからまたお客が来るんだ…
だから部屋にいて」
ここにお客さんが来るってことは…
敵、だよね。
わざわざアジトに来るほどの敵ってことは、
相当大事な交渉なのかな？
何だか嫌な予感がする…
『いや…私もここに居ていい？』
死柄木「わかった…危険になったら
奥の部屋に逃げるんだぞ？」
私の不安そうな顔を感じ取ったのか、
了承してくれた。
『わかった！ありがとう！！』
私もこの場にいるんだから…
危険があったら、絶対2人を守らなきゃ！
黒霧「では、そろそろ呼びますね」
SOUND ONLYの字幕の書かれたテレビをつけた。
…先生も出るほどって、どんだけ凄いの？
不安ばかりが募る中、敵はやって来る。
血のように赤い巻き物と、全身に携帯した刃物…
ゴロツキとは比べ物にならないほどのオーラがある。
私は、気配を殺して黒霧さんの出した
ワープゲートの後ろに隠れ、敵の背後を取っておく。
死柄木「敵連合に入ってくれないか？」
その一言で、空気がガラリと変わった。
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作者名：胡桃 | 作成日時：2019年1月23日 16時
