エピソード139 イエスとノー。 ページ2
緑谷「どうして…泣いてるの？」
自分が泣いてることに気づいていなかったのか、慌てて涙拭った。
目の周りが真っ赤になって、本当に兎みたいに見えてきた。
爆豪「…なんでもねーよ、」
緑谷「何でもないわけないよね？…その、Aちゃんと最近さ、」
爆豪「なんでもねーって言ってんだろうがクソが、」
いつもの気迫はどこに行ったんだろうってくらいに、弱々しく、消え入りそうな声だった。
何があったのか問い詰めたいけど、かっちゃんの場合そんなことすればするほど言わなくなる。
何でも1人で抱え込む人だったから…助けの求め方もきっと知らずに生きてきたんだろう。
…もしかしてだけど、今朝耳郎さんが言ってたやつかな、？
いや！それは本当かどうかわかんないけど…これ以外に思いつかない！
髪の件は収まったって言ってたし…
緑谷「もしかして！Aちゃんがかっちゃんに…キ、キスをしたことについて悩んでるの！？」
爆豪「…っ！！！」
否定しないってことは、そういうことなのか。
僕の心に咲いていた花が弾丸によって見事に散ったような、胸に穴を空けられた気持ちになった。
今はぐっと堪えて、目の前の彼に向き合う。
緑谷「Aちゃんのキスが、嫌だったの…？」
爆豪「んなわけねーだろ！」
否定してくれて良かった。
ここでイエスって答えを出したら、僕はきっと彼を殴っていたかもしれない。
かっちゃんは切れ切れではあるものの、言葉を繋げた。
爆豪「アイツが俺にキスして…なんか変わったんだ、
アイツが笑ったら俺まで嬉しくなって、！
アイツが泣いたら必死になってらしくーねことまで言っちまうし、！
この体にある心は、！紛れもなく俺のもんのはずなのに！
アイツが俺の世界を回してるみたいで、！！
今まで抑えてた何かが…心臓の辺りで疼いて止まないんだよ、！！！」
かっちゃんがAちゃんのことを好いてるのは知ってたけど…
キスの件で、無意識だったものが変わったってこと…？
僕は、さらに黙ってかっちゃんの話を聞く。
爆豪「なあ…デク、この気持ちの正体は……なんなんだ…？？」
誰かに恋をしたことがないかっちゃんに、この気持ちの正体を僕なんかが言っていんだろうか？
答えは
緑谷「わかんない、」
ノーだよね、
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作者名：胡桃 | 作成日時：2019年1月23日 16時
