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『...はぁ〜〜〜』
ゴロン、と蒸し暑い部屋の畳に寝転がる。
盛大なため息の理由は、もちろん昨日のこと。
...自分が情けなさすぎて思い出したくもない。
首だけ動かして横を向くと、せっせと毛繕いをしているぬこがいた。
それに吸い寄せられるように手を伸ばし、真っ白な毛並みを撫でてそのまま優しく抱きしめる。
ぬこは暑苦しいのか、私の腕から抜け出そうと体をくねらせている。
『...ぬこ、...うっ、ぐすっ...』
はらり、と一筋の涙が肌をなぞれば、もう止めようがないほどにどんどん溢れ出てくる。
私、いつからこんなに素直に感情を出せるようになったっけ...。
逃げようとしていたぬこは、突然泣き出した私を慰めるように擦り寄ってくれている。
その優しさに甘えて、しばらくその小さな熱に
『...そうだ、洗い物の残り...。
...ぬこ、ありがとう、ちょっと行ってくるね』
このままではいけない、と気怠い体を起こしてリビングへ向かう。
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リビングの扉に近づくにつれ、水を使う音が聞こえてくる。
うそ、どうしよう...まだシンクの中に洗い物が残っているのに...！
急いで戸を開けると、お皿とスポンジを持った作務衣姿の空却が目を丸くしてこちらを見ていた。
「...A、んな慌ててどうしたよ？」
『空却...その洗い物、』
「ん、これで終わりっと」
カチャ、と慣れた手つきで最後のお皿を片付ける。
『あっ、ありがとう！
...ごめん、やってもらって』
こんな不甲斐ないところ見せちゃうなんて...。
いたたまれなくなってきゅっと自分の左腕を掴む。
「なんで謝んだよ、いつもしてもらってんのは拙僧らの方だろ？
だから...ありがとな、A」
その優しい言葉に顔をあげると、空却は慈しむような表情で私を見ていた。
「まぁ、なんだ...いつでも話聞いてやるから、あんま一人で溜め込むなよ？」
うん、と小さく頷く。
「よし。...じゃ、拙僧少し出てくるな。
すぐ帰るけど、もしかしたら留守の時に獄が来るかもしんねーから、そんときゃぁよろしくな」
私の頭をぽんと撫でて、去っていく背中を見送る。
『はぁ...好きだなぁ』
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むーこ - 素敵な作品すぎますよ…！続きのご予定はもうありませんか……？ (4月25日 23時) (
レス) @page21 id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - いとさん» とても嬉しいです(˶ ̇ ̵ ̇˶ )♡こちらこそ読んでいただき、感想までくださって本当にありがとうございます！もっと好きになってもらえるように頑張ります｡˚✩ (2023年3月30日 18時) (レス) @page20 id: d7bba88e32 (このIDを非表示/違反報告)
いと - 最高です(泣)素敵な作品をありがとうございます。続き楽しみに待ってます。 (2023年3月29日 22時) (レス) @page18 id: 2e3d0ac53d (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 音さん» ご感想ありがとうございます！そう言って頂き、私も幸せでいっぱいです♡忙しくて更新が出来ていませんが、この作品は必ず完結させますので、ぜひ最後まで見届けてください(*^^*) (2022年10月10日 23時) (レス) id: d7bba88e32 (このIDを非表示/違反報告)
音 - 不器用な恋で胸が暖かくなりました。ありがとうございます。続きを楽しみに待ってます。 (2022年9月14日 2時) (レス) @page13 id: c1a228581f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠 | 作成日時：2022年4月5日 7時
