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『あっ！そういえば、ずっと十四君に聞いてみたいことがあったんだ』
「...ふぇ？なんすか？」
『十四くんは、どうしてそんなに厳しい修行をしてるの？』
仏道に傾倒しているわけでもなさそうだし...純粋に気になる。
「...変わりたいんす」
刹那、十四君は今までの気弱そうなものとはかけ離れた、鋭い意志を持った目つきに変わった。
思わずひゅっと息が止まる。
「自分は、実は...いじめにあったことがあって、」
その言葉にドクン、と心臓が嫌な音を立てた。
『...うん』
なんとか平然を装って相槌をうつ。
「一人じゃなにも出来ない、無力な自分に負けそうになりました」
『...』
「そんな時に、獄さんが手を差し伸べてくれたんす。
それで、自分は救われました」
...私は"助けて"って言葉さえも、言えなかった。
「恩人の獄さんと、強い人間になるって約束したんす。
だから誇りに思える自分自身を目指すために、空却さんの手を借りて修行させてもらってるっす！」
十四君は...十分強い。
弱い自分と向き合ってそこから逃げ出すことなく、今日も闘っている。
...私なんて。
「あ、それと自分と同じような境遇にいる人たちを、歌で励ますことが出来たらなぁって、曲を書いたりしてるっす！
ほら、前にAさんにも褒めてもらったやつも！」
ちょっと脱線したっすね、と十四君は照れくさそうに笑う。
あの歌にはそんな思いが込められていたんだ...きっと彼の叫びは、多くの人の心に響いてる。
「いつか空却さんみたいに、...って言っても、"あんなことができる"勇気と、強さには到底及ばないっすけど...。
へへっ、なんだかんだやっぱり空却さんはすごい人だと思うっす」
"あんなこと"...？
いくら記憶を辿っても思い当たる節がない。
...きっとまた私が知らない、空却の断片。
「...って、すみません！
一人で喋りすぎましたっす...」
『ううん。
言いにくいことだったのに、ありがとう』
「いやいや、こちらこそっす！」
『本当に、尊敬する』
...私、すごくネガティブな思考になっている。
十四君のことを純粋に素晴らしいって思いたいだけなのに、勝手に惨めな自分と比べてしまう。
「っAさん...？」
十四君が心配そうに俯いた私の顔を覗き込む。
やめて...今、そんな澄み切った目で見ないで。
『え、っと「おい、どこだ十四ィ！！」
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むーこ - 素敵な作品すぎますよ…！続きのご予定はもうありませんか……？ (4月25日 23時) (
レス) @page21 id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - いとさん» とても嬉しいです(˶ ̇ ̵ ̇˶ )♡こちらこそ読んでいただき、感想までくださって本当にありがとうございます！もっと好きになってもらえるように頑張ります｡˚✩ (2023年3月30日 18時) (レス) @page20 id: d7bba88e32 (このIDを非表示/違反報告)
いと - 最高です(泣)素敵な作品をありがとうございます。続き楽しみに待ってます。 (2023年3月29日 22時) (レス) @page18 id: 2e3d0ac53d (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 音さん» ご感想ありがとうございます！そう言って頂き、私も幸せでいっぱいです♡忙しくて更新が出来ていませんが、この作品は必ず完結させますので、ぜひ最後まで見届けてください(*^^*) (2022年10月10日 23時) (レス) id: d7bba88e32 (このIDを非表示/違反報告)
音 - 不器用な恋で胸が暖かくなりました。ありがとうございます。続きを楽しみに待ってます。 (2022年9月14日 2時) (レス) @page13 id: c1a228581f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠 | 作成日時：2022年4月5日 7時
