紫の獄卒と呪われた少女

6話 ひきこと少女 ページ7

ひきこside

私は奴等…こっくりと対立しているってのはご存知よね。奴等はいじめられっ子達の味方だと思うでしょ？

実際はただの捨駒だとか餌としか見てないのよ、守る気なんて更々ない…悪魔と同じなのよ、奴等は。

とりあえず私が彼女を殺さないといけなかった理由がね、彼女が奴等の黒幕？ボス？的なやつ…本霊って言えばいいのかしら、そいつが彼女に目を付けていたみたいで、乗っ取られてしまってね。今現在獄卒であの子のお兄さんである貴方なら解るわよね？

そう、彼女の霊力がとても澄んでいて、なおかつとても高かったの。だから彼女を乗っ取って私を殺そうとしたんでしょうね。

でもね、私は怨霊ではあるけどいじめられっ子は守る主義。本当は彼女と奴を引き離そうとしたのだけれど…彼女の霊力に敵わなかった。だから最終手段を使って奴を消滅させたの…そう、彼女を殺した。

いじめられっ子を守るために怨霊になったのに、その守ろうとした子を殺してしまったのよ…。


…え？さっきから言ってるいじめられっ子は誰かって…？…ああ、そうだったわ。貴方は戦に行ってしまったものね、知らなくて当然だわ。

まあ、お察しの通り、いじめられっ子はあの子。
元々文武両道、容姿端麗に加えて性格も良く人望がある。妬みややっかみの目なんて普通に向けられるわ。そんな憎い子が突如、親もいなくて兄もいなくなって一人ぼっちだなんて奴等にとって最高のチャンスじゃないの。

あの子は私以上に耐えてたわ…、そして今も。


……ごめんなさい、もう一つ、貴方にお願いがあるわ……あの子を止めて。

消滅させたつもりだったのだけれど、あの子の亡骸にほんの少し、本霊が残っていたみたいで…復活して、あの子に取り憑いてしまったの。
しかも今の彼女は亡者…これでは私が手を出しても止められない。
妹に武器を向けるなんてことはしたくないと思うわ…でも、止めないと彼女は奴のせいで人を殺してしまう…それこそ地獄で罰を受けるしかないわ。
だから、そうなる前に止めて…お願い…！

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