10話 別れ ページ11
田噛｢ったく…ちゃんとトドメ刺しとけよ…
…まぁいい、肋角さんから伝言だ｣
谷裂｢肋角さんから？｣
田噛｢『落ち着いたら2人で戻って来い』だとよ…
とりあえず伝えることは伝えた。俺はコレとひきこ連れて佐疫と戻るわ｣
そう言って奴は狐狗狸を鎖で縛り、引きずって帰っていった。
谷裂｢2人で、か……｣
あいつは…もう事切れていた。自我も霊力も何も感じない、冷たい亡骸になっていた。
谷裂｢……すまない…遅くなってしまった…｣
俺はその愛しい妹の亡骸に、ひきこが直してくれた首飾りを付けた。
…何故か視界がぼやけて指先が震えたが、何とか付けられた。
その時
━ﾆｲｻﾏ━
俺に囁くような声が聞こえてきた。
陽の光のように優しく、鈴を転がしたような声。
そう、愛しい妹の声だった。
━ﾈｴ､ﾆｲｻﾏ｡ﾅｶﾅｲﾃﾞ━
━ﾜﾀｼ､ｷｯﾄｲｲﾋﾄﾆｳﾏﾚｶﾜﾙｶﾗ━
━ﾀﾞｶﾗ━
━ﾏﾀ､ｵﾆｲﾁｬﾝﾃﾞｲﾃｸﾚﾏｽｶ?━
谷裂｢！……勿論、だ…俺は、いつ、どんな時でもずっとお前の兄だ…！｣
そう言うと、愛しい妹は微笑んで
｢あり……が……と…｣
その一言を告げて、動かなくなった。
俺は黙って彼女を抱きかかえ屋敷を出た。
━さようなら、二度と帰らぬ懐かしき我が家
そして
二度と会えぬ愛しき妹━
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緑桜しぇくあ(プロフ) - ねむねむさん» コメありがとうございます！自分がホラー好きなんでほんの少しだけ笑える要素入れつつホラーにしました！このお話が完結したら続編を書こうと思っておりますので完成したらそちらも読んでいただけると幸いです！ありがとうございます！ (2017年10月8日 23時) (
レス) id: c9ced172c2 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむ - あ、でもかなりホラーですね (2017年10月7日 18時) (レス) id: 7ee805d977 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむ - お話見ました。とっても面白いです (2017年10月7日 18時) (レス) id: 7ee805d977 (このIDを非表示/違反報告)
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