元カノ×元カレ ページ9
「おはよう。」
「・・・おはよう。」
朝、いつもの時間に家を出ると、貴方に会った。
学校の制服をいつもみたいに着崩して、鞄は片方の取っ手を肩にかけているスタイル。
貴方はスタスタと私の前を通り過ぎる。
“「俺達、別れよ？」”
つい３日前に言われた言葉が、頭の中に浮かんでくる。
・・・何だろう、このザワザワする気持ちは＿＿＿＿
私は貴方が大好きだった。
いや・・・今でも好きなのに変わりはない。
優しくて、たまに私にだけ見せてくれる照れた顔や優しさが好きだった。
・・・ねぇ。
なんで私達、別れちゃったの？
彼の後を追いかけるように、私は走った。
その時、彼の鞄から何か・・・小さい手帳のような物が落ちるのを見つけた。
「なに、これ・・・！！」
拾って見ると、“お薬手帳”の文字に気づいた。
ペラペラとページを捲っていく。
「えっ・・・！！」
私は、足に力が入らなくなってしゃがんだ。
そこには・・・訳の分からない種類の薬の名前がビッシリと書かれていた。
まるで、アニメやドラマでしか見た事のない事が、今、現実で起きていた。
もしかして・・・
私は貴方を見る。
貴方は、その手帳を落とした事に気づいて振り返っていた。
「お前・・・っ！」
「・・・バカ！！！」
私は足を無理矢理動かして、貴方に抱きついた。
「いかないでっ！私・・・大丈夫だから・・・無理、しないで！」
好きだから。そんな貴方でも大好きだから＿＿＿。
「・・・ありがとう。」
貴方は笑ってそう言った。
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作者名：みみみー | 作成日時：2018年2月9日 20時
