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第12話:散歩。 ページ12

敦が目を覚まし、
押し入れの戸を開ける。

鏡花がまだ寝ていることからして、
相当早い時間なのだろう。

だが、Aの姿が見当たらない。

よく見ると、卓袱台の上に置手紙があった。

「ちょっと散歩に行ってきます」

そんな短い文章だった。

Aがポートマフィアに狙われていることを
思い出し、急に不安になる。

敦は急いで着替えて、外に出た。
小走りで道を行く。

探偵社のビルの前、Aが歩いているのを
見つけた。

「はぁ、はっ..いた!
Aちゃん!」

名を呼ばれ、驚いた顔をするA。

「どうしたの?敦」

「だって、こんなに早い時間から
散歩だなんて、危ないし心配だったから」

息を整えながら言う敦。
その様子を見たAは思わず笑ってしまう。

「ごめん、でも敦。心配しすぎだよ」

「だって、不安になって...」

「私は勝手にどこかに行ったりしないから、
大丈夫だよ」

言いながら頬笑むA。
その仕草言葉に、敦の胸の端の方が、
きゅっと締め付けられるのを感じた。

「そろそろ日も昇るし、戻ろう?」

「うん。ごめんね、心配かけて」

「ううん。じゃあ、競争しようか!
どっちが早く寮に着けるか」

「良いよ」

敦の幼い提案。
Aは何の迷いもなく頷く。
足には自信があるのだ。

敦の合図で、二人は走り出した。

昇りかけの日の灯り。
二人の笑顔が眩しく輝いた。

第13話:名探偵江戸川乱歩。→←第11話:就寝前の怖話。(2)



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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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緑野アリス(プロフ) - 粋さん» コメントありがとうございます!これからも精一杯頑張らせて頂きます! (2018年6月27日 19時) (レス) id: 1ea7b4cf06 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とてもこの作品好きです!夢主ちゃんもとても可愛いです。更新頑張ってください! (2018年6月27日 19時) (レス) id: 232d77c3ac (このIDを非表示/違反報告)
緑野アリス(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!これからも精一杯頑張らせて頂きます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 1ea7b4cf06 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - はじめまして!さくらと言います!このお話とても面白いです(*^^*)これからも頑張ってください!応援してます!このお話大好きです(*^^*)出来たらコメント返してくれると嬉しいです!!!おこがましくてすみませんスライディング土下座 (2018年6月12日 20時) (レス) id: 05de94b2f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緑野アリス | 作成日時:2018年6月12日 17時

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