成長願望【JK】 (ページ2)

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僕とヌナは、もうずっと仲良しだった。
　
男女の仲を越えた友情…それこそ姉と弟のようだった。
　
　
　
僕は嵐の渦中にいるヌナを、いつも助けてあげられなかった。
　
ある時は僕は子供だったし、ある時はもう大人だったけれど、ヌナはもっと大人だった。
　
　
　
辛そうなヌナに、ハグをしていいか、と聞くといつも、うん、と言ってくれた。
　
おかげさまで体は大きく育ったから、ヌナをすっぽりと包み込むことが出来た。
　
僕の中に収まるヌナは、不思議なほど小さく感じた。
　
　
　
ヌナは僕のことを、嵐の中の小舟みたいと言った。
　
きっと彼女は褒めてくれたのだと思うけれど、僕は大きな波を防ぐ防波堤とか、強い光を放つ灯台とかになりたかったんだ。
　
　
　
ある時僕は、このままではいつまで経ってもヌナの防波堤や灯台にはなれないと気が付いた。
　
ヌナのそばで日向ぼっこしているようじゃ駄目なんだ。
　
僕自身がもっと荒波にのまれ、揉まれて、成長しないと。
　
だから…
　
　
　
「ちょっくら留学してくる」
　
　
　