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目の前で泣いていた彩へと駆け寄っては「大丈夫？」と声をかけた。彩はこくりと頷いたが、大丈夫なわけがない。まだ彩は幼い。トラウマのように脳にこびりついてしまうだろう。
『大丈夫だよ。あの人があいつのこと何とかしてくれるから』
慰めるようにいうと「フォローしろ」とでも言うような視線をトントンに向けた。トントンは、腰に手をあてながら彩に目線を合わせるように屈んだ。
「安心しぃや。もうあいつは何もしてこぉへんから」
私に何かを言うときの威圧感のあるしゃべり方ではなく、優しい声色でトントンは言った。これが、私と彩との扱いの差なんだろう。
『だって…ほら、早く仕事に戻りましょ。私がついてるから大丈夫』
まだ涙を流している彩の肩に手をあてては繰糸所へと戻った。
…
繰糸所に戻ると案の定、周りからは好奇の目で見られた。そんな目も気にせずに作業場へとついて手を動かした。
「ねぇ…ちょっと、Aさん…」
隣の人から小さな声で話しかけられた。
『はい、なんでしょう…？』
「呼び出されてたけど大丈夫…？」
『はい、大丈夫でした…』
「そう…」
話しかけてきたくせに素っ気ない態度で返された。大体大丈夫かと聞くときは、あんまり心配されてないことがほとんどだ。大丈夫は心配できる人に見られるうえに、その人に何が起こったのか聞きやすい言葉だから。
どうせ、何があったか教えるとその日の夜の話題にされるに決まっている。
それにしても、あのトントンという豚男は偉そうにしているが一応良心はあるのだということが分かった。
多少は私の中での印象は良くなったと褒めておこう。
それに、こんな単純作業にて観察するものがないとつまらないしね。
偉そうに顎を少し上げて立っているトントンを横目に見た。
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凛 - 更新してくださりありがとうございます。これからも自分のペースで頑張ってください。 (2021年12月30日 21時) (
レス) id: 35d08cc685 (このIDを非表示/違反報告)
青い朱雀 - すっっっっき... 無理せず、更新頑張ってください。 (2021年12月18日 10時) (レス) @page24 id: e603c0dff1 (このIDを非表示/違反報告)
菊 - 続きが気になります。 更新頑張ってください。 (2021年11月28日 16時) (レス) @page23 id: 35d08cc685 (このIDを非表示/違反報告)
大根おろし(プロフ) - 更新を気長に待ってます、頑張ってください (2021年4月25日 16時) (レス) id: b2446655e6 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - あずきもち。さん» ありがとうございます！ (2021年3月14日 22時) (レス) id: ba86ab62db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あなたのしゅきぴ♡ | 作成日時：2020年6月21日 9時
