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どれくらい寝たのだろうか。体は熱いが夏の涼しい風が火照っているおでこを擦るように吹いていた。それに、ほっぺたがひんやりしてて気持ちいい。絹の手だろうか。
『きぬぅ…もうおしごとおわったの…？』
そう言うと手はぴくりと反応しては、ほっぺたから手を離そうとした。ひんやりとしたその手逃すことなく掴んではほっぺたへと押し宛てた。
『きぬの手…ひんやりしててきもちいいね…ねつをすいとるまほうの手みたい』
「いや…あの…」
『なぁに？』
「その…言いにくいけど…トントンなんやけど」
トントンという単語を聞いた瞬間に体は本能的に反応して、押し宛てていた手を離した。ぼやけた視界に何とも言えないような表情をしたトントンが隣に座っていた。
『なんであんたがいるのよ…』
「何って…急に熱出したって聞いて」
『ふん』
この男は昨日のことを忘れたのだろうか。こんなに傷ついていたのに平気そうな顔をしてのこのこと会いに行くだなんてどういう神経をしているのだろう。
「大丈夫なんか？」
『だいじょうぶ…じゃないのは見たまんまでしょ』
「せやな…それはそうやな」
『それに、わたしのきょかなくへやにはいるなんて、へんたいでさいていね』
「すまん…」
トントンは申し訳なさそうに眉尻を下げては小さく謝った。いつもなら反撃してくるのに今日は珍しく反撃してこない。これでは、私が一方的に罵倒した人になるではないか。
急に優しくなっちゃって…今日のトントンは少しおかしい
…
いつまでこの男はここにいるんだろうか。トントンがこの部屋から出ていったら寝ようかと思っていたが一向に出ていく気がしなくて寝ることができない。
「体熱くないんか？」
『あつい…』
「タオル替えとくな。あと、団扇で扇いどくから要らんくなったら言ってな」
トントンは団扇で扇いでくれるし、タオルまで替えてくれる。いつのまにか、出ていくどころか看病までしてもらっていた。こんなに付きっきりで看病されたら、実家にいるお母さんを思い出し、お母さんとトントンが重なってみえてしまう。
『とんとん…おかあさんみたい』
「俺はお前の母さんやないから看病なんて下手くそやで」
『いいや…看病なんてひさしぶりにされるから…』
「そうなんや…」
トントンの優しい声と団扇で送られてくる風は心地よく瞼が重くなってくる。別に寝顔なんて1度は見られたものだから気にしなくてもまぁいいか。
Aは再び意識を手放した。
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凛 - 更新してくださりありがとうございます。これからも自分のペースで頑張ってください。 (2021年12月30日 21時) (
レス) id: 35d08cc685 (このIDを非表示/違反報告)
青い朱雀 - すっっっっき... 無理せず、更新頑張ってください。 (2021年12月18日 10時) (レス) @page24 id: e603c0dff1 (このIDを非表示/違反報告)
菊 - 続きが気になります。 更新頑張ってください。 (2021年11月28日 16時) (レス) @page23 id: 35d08cc685 (このIDを非表示/違反報告)
大根おろし(プロフ) - 更新を気長に待ってます、頑張ってください (2021年4月25日 16時) (レス) id: b2446655e6 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - あずきもち。さん» ありがとうございます！ (2021年3月14日 22時) (レス) id: ba86ab62db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あなたのしゅきぴ♡ | 作成日時：2020年6月21日 9時
