【16話】心残りなし! ページ18
もう最悪死んでも…駄目だね!!敦くんがね!!
黒崎「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!目がぁぁぁぁぁぁぁ!!」
中也「…」
黒崎「無言の目潰しほど怖いものないっ!」
中也「そんな事言いながら会えなくなる方が怖いんだろ」
黒崎「…」
何故見抜かれた。そりゃ怖いよ。会えなくなるんだ。皆と。中也と。だから誤魔化そうと思って明るく振る舞っても中也にはバレる。しかもこいつは言いやがる。俺の涙腺の脆さを知っているというのに…
中也「泣きたいなら泣け、前にも言っただろ」
黒崎「……なんで、中也はっ……俺のこと……全部わかるのっ……会えないの、厭に決まってんじゃんっ…!やだよ…なんで…!なんで俺ばっかり…!苦しいよ……」
中也「…………………お前は…まだ、泣けるな」
黒崎「…へ…?」
中也「俺はもう…泣けなくなった。最後に泣いたのがいつだか覚えて無い。……でも、お前は…まだ間に合う。探偵社に行けば太宰が居る。本当に苦しくて……耐えられないならそっちへ行け」
黒崎「……中也だって泣ける。泣けないような莫迦だったら俺をあの時拾ってない。それに、俺は此処が俺の家で、探偵社は俺の家じゃない。……それに、会えなくなるのは探偵社の皆だけじゃないかもしれない。りゅーくんや久作、中也とだって会えなくなるかもしれない。俺は、”皆”と会えなくなるのが怖い」
中也「…………俺は…お前のこと、わかってなかったみたいだ……わりぃ……」
優しく俺を抱きしめた中也。俺の首元で、水が伝う感触があった。
黒崎「…やっぱり、中也も泣けるんだよ」
中也の涙を見たのははじめてだった。
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作者名:天津焦凍 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2017年8月29日 15時