例えば君が…２ ページ4
潤「和、ほら支度しろよ。」
リビングに入ると、予想通り和也はソファーの側から少しも動いていなかった。
和「…僕、今日休むから。」
潤「お前は元気だろ？」
和「…。」
潤「和が休んだら、まーが悲しくなるから。」
そう言うと、和也の心が少しは動くのを潤は知っている。
雅紀に悲しい思いはさせたくないのは、兄弟皆同じなのだから。
雅「…和、行っておいで。」
小さな声が聞こえ、和也は視線を潤から雅紀に移す。
まだまだ青い顔だが、小さく笑んでいる兄と視線がぶつかる。
和「すぐ無理するから、見張り番が必要でしょ？」
雅「大丈夫、和たちが帰ってくるまでは、兄ちゃん達の監視があるから。」
困ったように笑う雅紀は、手を伸ばし、和也の頭にぽんと乗せた。
雅「…俺は大丈夫だから。ね？」
そう言われては、和也は何も言い返せない。
小さく頷くと立ち上がり、「支度してくる。」とリビングを出た。
潤「…まったく。」
雅「くふふ。潤、よろしくね？」
誰を、なんて言わなくても分かっている。
潤は「任せとけ。」と言って、和也の後を追うようにリビングを出た。
ドアが閉まる音が、空しく響く。
部屋の温度が急に下がった気がして、雅紀はブランケットを鼻まで引き上げた。
兄弟が多いせいか、いつも人の気配があるこの部屋に、誰もいなくなると、なぜか寂しくなり、思い出したくない思い出がふと思い出される。
『今日も休み？最近多くない？』
思いだしたくない思い出に蓋をして、頭を振る。
雅「大丈夫、大丈夫…。」
雅紀は自分に言い聞かせるように、ブランケットの中でギュッと身体を丸めた。
支度を終え、リビングのドアから顔を覗かせる双子。
和「じゃ、まーくん。行ってきますね。」
潤「ちゃんと大人しくしてるんだぞ！」
ソファーの背に隠れて、雅紀の姿を確認することはできない。
返事はなかったが、二人は雅紀が寝ているのだと思って、静かにドアを閉めた。
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chamiN614(プロフ) - はじめましてm(_ _)mちゃみんと申します。緑ちゃんが可愛らしくて、家事そっちのけで一気読みしてしまいました^_^他のみんなが緑ちゃんに対して優しい反面時に厳しくの関係がなんだかほっこりしました。続きが楽しみです。更新楽しみにしています^_^ (2019年10月4日 9時) (
レス) id: d892573298 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - ちぃちさん» お返事が遅くなってしまい、すいません。コメントありがとうございました。一気読みしていただけるなんて、嬉しいです。遅い更新ですが、復活しましたので気長にお付き合いいただけたら幸いです。よろしくお願いします。 (2016年8月11日 22時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
ちぃち(プロフ) - はじめましてちぃちと申します。楽しくて一気に読みきってしまいました。兄弟の仲の良さにほくほくしています。更新楽しみにしています 。。 (2016年1月16日 8時) (レス) id: bcc2d1cf7a (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - みかんさん» こんにちは。拙い作品ですが、最初から読んでいただけて、光栄です。更新かなり遅めですが、気長に待っていただけたら嬉しいです＾＾ (2015年9月2日 7時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - こんにちは！夕焼け小焼けはじめから読ませて頂きました。とても面白くてほっこりした暖かい気持ちになりました。これからもはるやんさんのお話楽しみにしています！ (2015年9月1日 15時) (レス) id: 72a8a6a586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるやん
| 作成日時：2014年10月22日 12時
