野菜とパン３ ページ11
「千真。雅紀君がネギを持って帰りたいそうだ。良いの見繕って包んでやってくれ。」
千「はい。今年のネギは良いのが揃ってますよ。」
雅「そうなの？楽しみだなぁ。」
「当たり前だ。何せ俺が育てたんだからな。」
男は豪快に笑いながら、じゃまた後でな、と納屋へ向かって歩きだした。
千「すいませんね、雅紀くん。あんな父で。」
雅「えぇ？そんなことないよ。」
父とは反対側に向かって歩き出した二人。
困ったように言う千真に対し、雅紀は笑んだ。
雅「学校はどう？」
千「楽しいですよ。家の手伝いだけじゃ知りえなかったことも知れるし。」
雅「相変わらず真面目だねぇ。」
千「そうですか？でも、雅紀さんもそうですよね？」
雅「俺？俺はそんなんじゃないよ。」
千「えぇ？でも、雅紀さんてコーヒーの知識だけじゃないじゃないですか。実は。」
いたずらっ子のような笑みを浮かべそう言ってくる弟のような存在の千真に、雅紀はただ笑んでいた。
千「こうやって時々うちに来るのも、野菜を貰いに来ているだけじゃないですもんね？」
雅「くふふ、千真君はやっぱり鋭いなぁ。」
雅紀は立ち止まり、空を見上げる。
ポケットに手を突っ込んだその姿は、千真には大人に見えた。
雅「まぁさ、言うじゃん。百聞は一見に如かず、ってね。俺、バカだからさ言われても本見ても、全然覚えられないの。でも、こうやって畑に来て実際のものを見るとね、何でかすんなりと覚えられるの。」
千「…雅紀さんはバカじゃないですよ。見ても覚えない人っています。ていうか、興味を示さないんだと思います。それでも雅紀さんが覚えてくれるのは、やっぱり何か目的があって、知識を得ようとしているからでしょう？そういう人は、努力家って言うんですよ。」
雅「…やっぱり、千真君は真面目だねぇ。」
千「そうですか？」
そうだよ、と微笑んだ雅紀は、千真を振り返る。
雅「くふふ、さ、今年のねぎ見せて？」
千「あ、はい。こっちです。」
二人はまた歩き出す。
数時間後。
雅紀は親子に礼を言い、帰路についた。
車の後ろには、たくさんのネギと野菜が積まれている。
自宅での騒動を未だ知らない雅紀は、カフェの料理や兄達のパンと、野菜をどう合わせようか楽しんでいた。
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chamiN614(プロフ) - はじめましてm(_ _)mちゃみんと申します。緑ちゃんが可愛らしくて、家事そっちのけで一気読みしてしまいました^_^他のみんなが緑ちゃんに対して優しい反面時に厳しくの関係がなんだかほっこりしました。続きが楽しみです。更新楽しみにしています^_^ (2019年10月4日 9時) (
レス) id: d892573298 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - ちぃちさん» お返事が遅くなってしまい、すいません。コメントありがとうございました。一気読みしていただけるなんて、嬉しいです。遅い更新ですが、復活しましたので気長にお付き合いいただけたら幸いです。よろしくお願いします。 (2016年8月11日 22時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
ちぃち(プロフ) - はじめましてちぃちと申します。楽しくて一気に読みきってしまいました。兄弟の仲の良さにほくほくしています。更新楽しみにしています 。。 (2016年1月16日 8時) (レス) id: bcc2d1cf7a (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - みかんさん» こんにちは。拙い作品ですが、最初から読んでいただけて、光栄です。更新かなり遅めですが、気長に待っていただけたら嬉しいです＾＾ (2015年9月2日 7時) (レス) id: 96da3992ed (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - こんにちは！夕焼け小焼けはじめから読ませて頂きました。とても面白くてほっこりした暖かい気持ちになりました。これからもはるやんさんのお話楽しみにしています！ (2015年9月1日 15時) (レス) id: 72a8a6a586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるやん
| 作成日時：2014年10月22日 12時
