みんな大好き５ ページ10
和也と潤が学校に着き、自転車置き場に向かうと、すぐ隣にある体育館から歓声が聞こえる。
二人は顔を見合わせ、どちらからともなく溜息をついた。
和「…今日もですか…。」
潤「今日もだな。」
諦めたような声は、風に流される。
駐輪させ、かばんを無造作に掴むと、二人は足早にその場を去った。
和也は体育館の入り口を、一瞬見る。
そこには、バスケットボールを持って、コートを走っている兄の姿があった。
歓声は雅紀に対してのもので、最早この学校では日常茶飯事だった。
ふとした瞬間の『病室のベッドの上に、儚く座っているような少年』と『天真爛漫な天然さん』のギャップが良いとかで、学年問わず女の子達には絶大な人気を得ていた。
因みに、人気があるのは女の子達からだけではない。
誰に対しても明るく優しく接し、意外に男気質でもある雅紀は男子からも人気があった。
学校を休みがちなのに、バスケ部のキャプテンを務められているのは、ただ単に抜群の運動神経が認められているだけではなく、その性格もあるだろう。
しかし、雅紀の弟二人は、そんな兄の状況が面白くない。
二人は、家での雅紀を知っている。
具合が悪い時の雅紀を知っている。
それが、どんなに見ていて辛いか…。たくさんのことを諦めてきた兄にとって、バスケは所謂「精神安定剤」。
だから、出来ればそっとしておいて欲しい、何も気にせず好きなだけやらせてあげたいと、願っている。
家ではそれが通用するが、学校ではそうはいかない。
雅紀にあまり過保護に接するのも、当然嫌がられそうだし、兄離れしていないと周りに冷やかされるのも何となく癪に障る。
遠くから見守ることしかできない自分達に、春から苛立ちっぱなしの双子。
そんな双子の気持ちを知ってか知らずか、雅紀は今日も笑っていた。
雅「じゃぁ。とりあえずここまでにしよっか。」
信「そやな。じゃ片付けっぞ！」
雅「はぁい！」
朝の練習を終え、片付けを始める。
一般的には一年生が率先して行うのだろうが、雅紀がキャプテンになってからは、何故か三年生が率先して行うようになり、気が付けば板ばさみにされた二年生もヤル気を見せている。
雅「あ、そのボール、俺にちょうだい！」
一年「え、だ、だめですよ！
雅「何で〜ケチ〜！俺も片付けたいの！」
二年「雅紀先輩、信五先輩がボール五個持ってますけど…。」
二年部員が指を指す方向を見れば、そこには確かにたくさんのボールを抱えた信五がいた。
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はるやん(プロフ) - みみさん» こんばんは。さぁ一体雅紀君に、何があったんでしょうね(´∀｀)今回もちょ〜っと長くなりそうです。そういえばここ数話、皆が大人のお話ですね。おちびちゃんは別で書いているので、多分大人ばかりになるかな？多分ですけどね(´∀｀) (2013年7月25日 21時) (
レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - こんばんは。雅紀くん何があったんでしょうか。すごく気になります！小さい頃のお話も好きですが、私はみんなが大人になった話が一番好きです(^.^) (2013年7月25日 20時) (携帯から) (レス) id: 499f2d8804 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - ラベンダーさん» こんばんは☆楽しい雰囲気がお伝えできて、良かったです！ (2013年7月22日 21時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー(プロフ) - こんにちは
長男と三男の癒やしオーラ満載と次男に悪戯を仕掛ける末っ子コンビに久し振りに笑えました。 (2013年7月22日 18時) (携帯から) (レス) id: cbbfe1ce17 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - ケイさん» こんにちは。長男と三男が揃うと、ほのぼのとした空気になりそうですよね。その横で末っ子達を追いかける次男…毎日楽しそう（笑） (2013年7月22日 15時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年6月14日 9時
