みんな大好き７ ページ12
先「まだ決まってないなら、それでも良い。ただな、夏休み明けまでには、決めないとダメだぞ？お前なら、スポーツで行ける大学もある。」
そう言って、教師は雅紀をちらっと見た。
が、やはり雅紀は俯いたままで、その表情も読み取れない。
内心溜息を盛大についた。
天真爛漫でドジばっかりやっているようだが、実は誰よりも繊細で真面目で頑固な性格を教師は分かっている。
先「…とりあえず。急で悪いが、三者面談の希望日時をお兄さん達と相談して、明日持ってこい。進路希望調査票は当日で構わん。よしっ、じゃ話はこれで終わりだ。部活行って良いぞ！」
「ありがとうございました。」と、雅紀は呟き、職員室を出て行った。
先程とはうってかわり、体育館に向ける足取りは重い。
昨日、帰宅して部屋に戻ったら、見覚えの無い紙が一枚、かばんに入っているのを雅紀は気が付いていた。
放課後、双子が信五に「お兄さん達に渡して。」と手渡されていた、あの紙だ。
雅紀はそれを机の引き出しに仕舞い込んだ。
考えていないわけではない。
…でも、何をしようにも「体調」が必ず纏わりつく。
先程手渡された二枚の用紙を、乱暴に鞄に突っ込み、雅紀は体育館へ向かった。
信「お、来たな。」
雅「ごめんごめん、お待たせ〜！」
着替えを済ませコートに立つ雅紀は、先程の悲しさは微塵も感じさせない。
念入りに準備運動をし、基本の動きを一年生に教える。
雅「っとね〜…ここは、こっちの足をだして、手はこっちで…うん、そうそう。上手！」
小学生、もしくは犬相手のように「良い子良い子。」と後輩の頭を撫でる雅紀。
雅「じゃ、次は君ね。うん、そうそう…こほこほっ…うん、そしたら、そこで足をこうして…そうそう！」
何事もなかったかのように、元気な様子の雅紀を、遠くから信五は心配そうに見つめていた。
部活の時間が、残り半分になった頃。
部員を二つのチームに分け、試合形式の練習をする。
もうすぐ夏の大会が始まる。
三年生にとっては、これが最後の大会。
負けた時点で、引退が決定する。
つまり、試合を勝ち進めば、その分引退の時期は延びることになる。
皆が練習試合の準備をしている中、雅紀は一人体育館外に出て、水飲み場で水を頭から被っていた。
暑い時季だからだろうか、体育館の中の熱気は凄まじく、流れ出る汗の量が半端無い。
キュキュッと蛇口を捻り、水を止める。
タオルを頭から被り、ガシガシと拭いた。
その間も、乾いた咳が出続ける。
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はるやん(プロフ) - みみさん» こんばんは。さぁ一体雅紀君に、何があったんでしょうね(´∀｀)今回もちょ〜っと長くなりそうです。そういえばここ数話、皆が大人のお話ですね。おちびちゃんは別で書いているので、多分大人ばかりになるかな？多分ですけどね(´∀｀) (2013年7月25日 21時) (
レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - こんばんは。雅紀くん何があったんでしょうか。すごく気になります！小さい頃のお話も好きですが、私はみんなが大人になった話が一番好きです(^.^) (2013年7月25日 20時) (携帯から) (レス) id: 499f2d8804 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - ラベンダーさん» こんばんは☆楽しい雰囲気がお伝えできて、良かったです！ (2013年7月22日 21時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー(プロフ) - こんにちは
長男と三男の癒やしオーラ満載と次男に悪戯を仕掛ける末っ子コンビに久し振りに笑えました。 (2013年7月22日 18時) (携帯から) (レス) id: cbbfe1ce17 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - ケイさん» こんにちは。長男と三男が揃うと、ほのぼのとした空気になりそうですよね。その横で末っ子達を追いかける次男…毎日楽しそう（笑） (2013年7月22日 15時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年6月14日 9時
