恋心 ページ45
カランカラン
店のドアベルが、明るい音を鳴らす。
翔「いらっしゃいませ。」
振り向くと、見覚えのある一人の女性がいた。
？「あの、雅紀くんいますか？」
翔「いますよ。」
翔が併設されているカフェカウンターに向かい、呼びかける。
奥から雅紀が出てきた。
雅「翔兄？どしたの？…あっ！はなちゃん！」
花「お久しぶり、雅紀くん。」
穏やかに微笑む女性は、卒業式後に本を届けてくれた、雅紀の友達の花だった。
雅紀は、花をカフェカウンターの椅子に座らせる。
雅「わぁ、本当に来てくれたんだ。」
花「うん、見てみたかったしね。」
嬉しそうに微笑む雅紀に対し、花はどこか寂しげな雰囲気があった。
それは、花をよく知る人物じゃないと、気づけない程の些細なもの。
雅「…何かあった？」
花「…え？ううん、何もないよ。」
雅「そう？なら良いんだ。」
ごめんね？と雅紀は柔らかく微笑む。
しかし、花の目から涙が一筋流れた。
花「あ…ごめ。泣くつもり無かったのに…。」
ハンカチで目頭を抑える彼女は、儚く見えた。
雅紀は何も言わず、カップを取り出す。
花「…あのね。」
花は先日の出来事を、呟くように話し始めた。
雅紀は、それを黙って聞いている。
雅「…そっかぁ。」
話し終わった時、カフェオレを一杯彼女の前に置いた。
雅「飲んで少しでも元気だして？美味しいの食べたら、笑顔になれるからさ。」
花「ふふっ、ありがとう。」
その後、他愛もない話をして、楽しんだ二人。
花はまた来るねと約束し、帰って行った。
外に出て見送る背中に、雅紀は先程の話を思い出していた。
『彼…って言っても、親同士が勝手に約束しただけで、別に恋人でも何でもなかったんだけどね。だから、言葉が少し違うんだけど、他に彼女がいたんだって。許嫁の私よりも、自分で選んだその人との未来を望んで、二人は駆け落ちしたの。…恋なんて知らないけど、一気に失恋しちゃった。』
少なくとも、花は許嫁に好意を持っていた。
学生時代、彼の話をしてくれた時の、花の笑顔がそれを物語っていた。
それを知ったから、雅紀は自分の気持ちに蓋をし、身をひいたのだ。
でも、彼女を泣かせた彼はもういない。
カフェオレを出した時の、花の笑顔を思い出す。
『また来るね』
何となく期待したくなる、真夏の夕方。
********************************
思いついてから、書き上げるまで約２０分…雑ですいません。
因みに、兄達はパン屋のカウンター越しに二人を見てました
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雅狐 - 物静かな人が一番怖いとは、よく言ったものですね。 (1月5日 20時) (
レス) @page35 id: 8b57b1b168 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - くまさん» 初めまして、おはようございます。ゆりかごの件ですが、ロックを解除するつもりは毛頭ありません。申し訳ございませんが、ご理解願います。 (2013年7月13日 7時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - まーさん» こんばんは。二人の関係は、良い方向に行くと良いんですけどね〜。さて、どうなることやら(´∀｀)今日か明日には、移行します〜。ゆりかごも、もうちょいで移行ですね♪ (2013年4月21日 21時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - まーさん» こんにちは。本当、何だか珍しく切なくなっちゃいました…。そうそう、双子なんです〜。一人か悩んだんですけどね（笑）ゆっくり休んでくださいね♪ (2013年4月20日 7時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - みみさん» こんばんは。嬉しいコメントありがとうございます。そんな風に言っていただけて光栄です♪リクをいただいて書いたお話でしたが、繋げてみました。移行するまでは、一話完結ぐらいの短いお話が続きますが、よろしければご覧くださいませ（●＾o＾●） (2013年4月19日 22時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年3月29日 15時
