雅紀君の喘息３ ページ32
早朝の為か、病院は患者も少なく、すぐに診察室へ通してもらえた。
医「久々に来たと思ったら…これまた、随分悪いねぇ…。」
病院に何度もお世話になっている雅紀は、救急外来の先生とも顔見知りだった。
口調はあっけらかんとしているが、表情は曇っている医師の様子に、智も翔も不安が煽られる。
ベッドに座らされた雅紀は、二人に固定されながら薬の吸入をしていた。
さすが手馴れてるね。と冗談交じりに苦笑する医師に、智も翔も苦笑いするしかない。
医「…この前…って、結構前か。私じゃないけど、違う先生が毎日飲むように出した薬があったと思うんだけど。これ、当然もう無いよね？」
カルテを見ながら話す医師に、二人は首を傾げた。
智「あの、毎日飲む薬って何ですか？」
医「あれ、この子から聞いてない？前回の発作の時にね、発作が起きた時だけ薬を飲んでいるんじゃ予防出来ないからって、もう一種類薬出されてたんだけど。」
翔「…え、雅紀。あったのか？」
雅紀の視線が泳ぐ。
智「…あったんだ。」
医「いつか隠し事はバレるんだよ、雅紀君？じゃぁ、とりあえず今回も２種類、薬出しておくね。毎日飲む方のは、お兄さん達が管理した方が良いかな。」
翔「はい、必ずそうします。」
項垂れたように、雅紀の肩が落ちた。
病院を後にし、三人は帰宅する。
注射もして貰った雅紀は、疲れたのかあっという間に自室のベッドで寝てしまった。
リビングでコーヒーを飲む、兄二人。
無言で飲む翔を、智は困ったように笑って見た。
智「翔君、眉間にシワ寄ってるよ。」
翔「っ！マジでっ！？」
智「…嘘。」
慌てる翔に、智は笑った。
口を尖らせ、自分を睨みつけてくる弟に、智は微笑む。
智「まぁ、翔君が怒る理由も分かってるけど。大丈夫だよ、おいらが後で、雅紀にきつ〜くお説教しておくから。」
ふにゃっと笑う智。
それが逆に恐い翔は、身震いした気がした。
本気で怒ったら、智が一番恐い。
翔「…俺が言ってもきっとダメだし…智君、お願いします。」
智「うん、任せておいて。」
その日の夕方。
桜葉家に、雅紀の「ごめんなさいっ！」という泣き声が何度も響いたそうな…。
**************************
はるやんです。
今回はいちごさんからのぷちリクで「雅紀の喘息」でした。
ど、どうでしょう？
喘息持ちが周囲にいないので、よく分からずネットで調べながら書いてみたのですが…。
お気に召したら、幸いです。
智兄の説教、番外編で書こうかな(笑)
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雅狐 - 物静かな人が一番怖いとは、よく言ったものですね。 (1月5日 20時) (
レス) @page35 id: 8b57b1b168 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - くまさん» 初めまして、おはようございます。ゆりかごの件ですが、ロックを解除するつもりは毛頭ありません。申し訳ございませんが、ご理解願います。 (2013年7月13日 7時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - まーさん» こんばんは。二人の関係は、良い方向に行くと良いんですけどね〜。さて、どうなることやら(´∀｀)今日か明日には、移行します〜。ゆりかごも、もうちょいで移行ですね♪ (2013年4月21日 21時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - まーさん» こんにちは。本当、何だか珍しく切なくなっちゃいました…。そうそう、双子なんです〜。一人か悩んだんですけどね（笑）ゆっくり休んでくださいね♪ (2013年4月20日 7時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - みみさん» こんばんは。嬉しいコメントありがとうございます。そんな風に言っていただけて光栄です♪リクをいただいて書いたお話でしたが、繋げてみました。移行するまでは、一話完結ぐらいの短いお話が続きますが、よろしければご覧くださいませ（●＾o＾●） (2013年4月19日 22時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年3月29日 15時
