しょう兄ちゃんとかずくんとじゅんくん２ ページ21
バスを降りると、そこは広い公園だった。
水族館はこの公園の敷地内にある。
和「…わぁ。広い。」
潤「すげぇ！」
立ち止まっていた二人は、思わず呟いた。
あまり出かけられる環境ではないから、二人のテンションが妙に上がり始める。
久々の遠出が嬉しくて、周囲を見渡した。
レジャー地としても有名なこの場所は、やはり家族連れが目立つ。
親子で楽しそうな姿を見ると、上がり始めたテンションは徐々に下がり始める。
「もう慣れた。」と言えば、そうかもしれない。
自分達が物心ついた時には、既に両親は遠い存在だったし、なかなか帰って来ようとしない現状を、ある意味諦めている。
親と遊んで楽しそうにしている赤の他人に、内心「羨ましい」と思うのは、とうの昔に止めた。
それでも七歳の双子の心には、時々その気持ちが顔を覗かせる。
双子が付いて来ていないことに気が付いた翔は、立ち止まり振り返った。
二人は淋しそうな目で、広場で遊ぶ親子連れを見つめている。
先ほどまでの楽しそうな雰囲気は、どこにも無かった。
末の弟達の気持ちを、わかっているつもりではいる。
しかし、両親が外国に行った当時、翔は１１歳だった。
両親の愛情を十分すぎる程に知っている。
三人の弟、特に末の二人に関しては、それを知らない。
上手く言い表せない、もやもやとした感情が翔に芽生える。
それは、両親への怒りなのか、弟達との付き合い方がよく分からない自分自身への物なのか、分からない。
若干の苛つきを覚えつつ、翔は小さく舌打ちをし、双子の元へ歩み寄る。
翔「…おい。行くぞ。」
どうやって声をかけたら良いのか分からず、結局ぶっきらぼうな口調になってしまった。
声をかけられた二人は、小さく肩を震わせ「ごめんなさい。」と揃って呟いた。
両親を恋しく思っている幼い弟達に、本当はもっと優しく話しかけるべきだろうが、何故かそれが出来ない。
別に恐がらせるつもりも、怒っているつもりもない。
しかし結果として、二人は「怒らせてしまった」のだと、勘違いした。
小走りに翔の元へ走ってくる二人。
翔「あ、いや。別に怒ってねぇし。」
俯いている二人に、翔は上から声をかける。
こういうとき、すぐ下の弟ならどうするのだろうか。
この二人が一番懐いているのは、雅紀だ。
そうさせてしまったのは、自分にも智にも原因があるのだが。
不器用な自分に腹が立ち、二人に聴こえないぐらい小さな溜息を付いた。
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雅狐 - 物静かな人が一番怖いとは、よく言ったものですね。 (1月5日 20時) (
レス) @page35 id: 8b57b1b168 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - くまさん» 初めまして、おはようございます。ゆりかごの件ですが、ロックを解除するつもりは毛頭ありません。申し訳ございませんが、ご理解願います。 (2013年7月13日 7時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - まーさん» こんばんは。二人の関係は、良い方向に行くと良いんですけどね〜。さて、どうなることやら(´∀｀)今日か明日には、移行します〜。ゆりかごも、もうちょいで移行ですね♪ (2013年4月21日 21時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - まーさん» こんにちは。本当、何だか珍しく切なくなっちゃいました…。そうそう、双子なんです〜。一人か悩んだんですけどね（笑）ゆっくり休んでくださいね♪ (2013年4月20日 7時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
はるやん(プロフ) - みみさん» こんばんは。嬉しいコメントありがとうございます。そんな風に言っていただけて光栄です♪リクをいただいて書いたお話でしたが、繋げてみました。移行するまでは、一話完結ぐらいの短いお話が続きますが、よろしければご覧くださいませ（●＾o＾●） (2013年4月19日 22時) (レス) id: 7adfd23576 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2013年3月29日 15時
