夕焼け小焼け【緑さんメイン】 (ページ16)

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双子の喧嘩４ページ16

和「たかだかじゃないですよ！ラスボスだったのに…後少しってとこだったんですよ！？」
潤「じゃぁ何か？俺がそのラスボス直前までやって、和に渡せば良いのかよ。大体、夕飯の準備を俺らがしてんだから、お前が洗濯物やれば良かったんだろ？！」
和「今日の洗濯当番は僕じゃありませんもん。」
潤「何で、そんなに分からず屋なんだよっ！」
和「はぁ！？それは潤でしょう？」

雅「…というわけ。俺がちゃんと止められていれば、良かったんだけど。ごめんね？」

申し訳なさそうに、雅紀が言う。
俯いた雅紀の頭を、智が優しく撫でる。

智「雅紀は悪くないよ。ありがとね。」

小さな溜め息をついて、翔が言う。

翔「全く…いくつになっても…やっぱりちび達は、ちび達だな。」
智「そだね。」

困ったように笑う智に目配せをして、未だ言い争っている二人の元に翔が向かった。

翔「和也、潤。」

にっこり笑って自分達の間に立つ翔に、和也も潤も言葉を止めた。

翔「いつまで、くだらない話してんだ？」

和也も潤も、知っている。
この笑顔の怖さを。

翔は有名進学校出身なのに、実は昔は金髪にピアスだった。
結構悪いことをしまくっていたのを、二人は聞いたことがあり、一回だけその様子を見たことがある。

今、目の前にいるのは、その時と同じ笑顔の兄だった。

潤「…い、いや。」
和「…もう、終わります。」

さっきまでの威勢はどこへやら。
蛇に睨まれた蛙のように、二人は縮こまった。

翔「そっか。」

更に一段と笑みを深くした翔は、二人の頭を勢いよく叩いた。