夕焼け小焼け【緑さんメイン】 (ページ2)

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行方不明ページ2

朝4時。

翔「智君！起きて！」
智「…マグロ…」

大好きな魚の夢を見ているのか、幸せそうに寝ている兄を、翔が必死に起こしている。

翔「寝てる場合じゃないよ！雅紀がいないんだよ！」
智「…へっ？！」

真ん中の弟がいないと聞いた智は、その言葉でガバッと起きた。

智「どういうこと？」
翔「開店準備するのに、早めに起きたんだけど、雅紀の部屋のドアが開いててさ、中見たらいなかった。それに、靴もない。」

昨晩はいた。
一緒に夕食を食べたし、寝る前までは末の双子とゲームをしていた。
ということは、皆が自室に下がってからということになる。

智は翔を連れて、雅紀の部屋に入った。
ベッドに触れるとひんやり冷たく、寝たような形跡もない。
机には携帯が置いてある。

翔「智君！俺、やっぱり外に探しに行って来る！」

いつもは沈着冷静頭脳明晰な弟が、珍しく慌てふためいている。
その姿が何だか可愛くて、智はくすりと笑った。

智「大丈夫、すぐ帰って来るよ。」
翔「何言ってんの！大事な弟が行方不明だと言うのに！」
雅「え！？和か潤が行方不明なの！？」
翔「違う！雅紀が…って…あれ？」

声がした方を振り向くと、レジ袋を手にした雅紀がドアの所に立ち、きょとんと首を傾げて、兄達を見つめている。