夕焼け小焼け【緑さんメイン】 (ページ13)

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双子の喧嘩１ページ13

桜も散って、葉桜になった。
季節は初夏を迎えようとしている。

いつも賑やかな桜葉家には、珍しく不穏な空気が流れている。

潤「何で、そんなに分からず屋なんだよっ！」
和「はぁ！？それは潤くんでしょう？」

双子の喧嘩勃発中。

和「弟のくせに！！」
潤「たかだか、数時間の差で兄貴ぶるなよ！」
和「数時間でも、弟だろ！？」
潤「はっ、兄貴だなんて思ったことねぇよ！」
和「何だと！」
潤「当たり前だろ！」
雅「ほら、二人共。もう止めなって。」
和潤「まー(くん)は、黙ってて！！」

あたふたしながら雅紀が止めに入るが、二人に睨まれ、ソファーに大人しく座った。

和「潤は、まーくんのことも兄貴だと思ってないんでしょ？」
潤「は？何でだよ。まーは兄貴だろ！？」
和「ほら、そうやって『まー』って呼ぶ。」
潤「お前だって、良い年したやつが、兄貴のこと『まーくん』かよ。」

鼻で笑う潤に、和也は声を荒げる。

和「良いじゃないですか！まーくん、可愛いでしょう？」
潤「ガキじゃねぇんだし、兄貴にくん付けってどうなんだよ！？」
和「ちょっとおバカでドジッコで、天然で泣き虫な兄なんだから、可愛くて良いでしょ！？」
潤「ちょっとバカでドジで、天然で泣き虫な兄なんだから、まーも良いだろ！？」
和「ほら、やっぱり兄貴だと思ってない」

今度は、和也が鼻で笑う。

潤「そういう意味じゃないだろ？！」
雅「…俺、何か、いたたまれない…。」

ソファー丸くなって、二人に背を向け拗ねる雅紀。

潤「ほら、和が変なこと言うから、まーが拗ねた。」
和「俺じゃないよ！潤でしょ！」
雅「…そっか…俺って、ちょっとおバカでドジで、天然で泣き虫か…そっかそっかぁ…」

小声で呟く雅紀。
部屋には西日が降り注いでいるのに、その周辺だけ影が落ちたように暗い。

和「潤、まーくんに謝りなさいよ。」
潤「和こそ！」
和「大体いつもそうやって、面倒くさいことは俺に押しつける。」
潤「はぁ？！俺がいつ押し付けたんだよ！」
和「今、言ったでしょ！『いつも』！！」
雅「…そだよねぇ…謝るのも面倒な兄貴だよねぇ…」

そこへ、仕事を終え店から上がってきた智と翔がやって来た。