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side:midoriiro
いつもの公園。ぴったり9時。オレら4人はらだおくんの指示通り集まっていた。
「お!みんな来てる!」
らだおくんはにこっと笑いながらやってきた。
「俺はやる気ないんねんけどな」
「ダメだからなー?強制参加。言っただろ?」
「あのなぁ…」
「説教はもういいよ。始めるよ。かくれんぼ」
らだおくんがそう言うと何故か緊張が走る。
「んー…10秒間目を瞑ってて、それから1分間この公園から出ないこと!いいな?」
どこまで行く気なの
言いたかったけどなんでか声が出なかった。
「それじゃあ…かくれんぼ、スタート!」
オレらが目を閉じる直前に見えたらだおくんの顔はにっと笑っていて、らだおくんじゃないような違和感を感じた。
…9…10
目を開けると本当にらだおくんはいなくなっていた。
「どういうことやねん。意味わからんわ」
「らっだぁらしくなかったというか…」
「ちょっとおかしかったよね」
各自色々口にしながら、仕方なく1分待っている。オレは耐えきれず口を開く。
「…らだおくんじゃないよ。あんなの」
3人が一斉にこっちを見る。
「どりみーは知ってるか?あいつの意図」
「知らない。でも、今までずっといたけど明らかに今日はおかしいよ」
オレが一番長い付き合いだけど、あんな姿のらだおくんは見たことがなかった。
「ねぇ、そろそろ1分じゃない?」
「そうだね。とにかく…」
「探さんとな。あのアホを」
「うん」
オレらは見合うとバラバラの方向に走っていく。手分けして探し出す作戦だ。昔のように。昔やったかくれんぼの時のように。
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作者名:midoha | 作成日時:2019年5月24日 19時