１３人目 −２−

あの日〜ｶｲside〜 ページ23

ただ瞼を閉じてただけだったんだけど、Aとｾﾌﾝは俺が寝てると思って話してた。


前は嫌がってた？いつのことだかわからない。


前も肩借りたってこと？


覚えていないけど、軽くｼｮｯｸを受ける俺。
まぁ今は大丈夫みたいだから、いいか。


俺はAのこと練習生になったころから知ってるし

今のAがなんで人を拒絶するかも知ってる。

あの時の俺に後悔しかない。

まだ幼かったし、本当に怖くてあの時、俺はどうしていいかわからなかった。


あの日からAは数日間、練習に来なかった。


戻って来た時はすでに人を拒絶してたし、俺のことを覚えてなかった。


そんなAを見た時俺は何もできなかった。


俺の存在がもしかしたらAにとって良くないかもしれないと思ったから。

それでもあの時ずっとそばにいてあげてたら･･


ｽﾄﾝｯ


考え事をしている俺の頭に、重みがかかって、Aが眠ってしまったことに気付く。


起こさないようにそっと、立場を入れ替える。


Aの頭を肩に寄り掛からせて、思った。


最近、Aは昔みたいによく笑うようになった。


今、Aが幸せならそれでいい。


たとえ俺のことを覚えてなくても。



少しして車は宿舎についた。


時間はすでに深夜2時を過ぎていた。


起こしたら可哀想だし、起きてしまったら、また寝れないだろうと思って、ｾﾌﾝの力を借りて、Aをおぶって車から降りた。


ﾁｬﾆｮﾙ「ちょ、ｼﾞｮﾝｲﾅ?!」


ｶｲ「疲れて寝てるんだから静かにしてよ。」


車から降りたﾃｻﾝﾋｮﾝが俺に近寄ってきて小声で話しかけてきた。


ﾃｻﾝ「ｼﾞｮﾝｲﾅ…ありがとな。Aのこと頼んだぞ。」


それだけ言うと、また車に乗ってしまった。

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